【脛骨・腓骨骨折02】受入れ先は地獄の一丁目!暗黒の入院生活スタート!

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2016年4月27日 22:00未明

何とか受け入れ先の病院が決定し、安堵していた僕。早速ストレッチャーが救急車から運び出され、院内へと転がされてゆく。

この間も痛みは治まらず汗ダクダク。ストレッチャーの微細な振動も検知し、痛みに変換する今の僕の足は最先端危機も真っ青なデリケートっぷり。たすけて

しかし、やっと病院に着いたということで適切な治療を受けられると内心ほっとしてた部分もあったと思う。この後の地獄も知らずに……

もくじ

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骨折ショータイム

院内まで景気良く転がされた僕は早速受付を通ったが、そこにはおっさんともお兄さんとも言いがたい男性がいた。以後その風貌から彼をジーニー(爺兄)と呼ぶことにする。

僕は一世一代の大ケガ感満載の表情だが、ジーニーはこんなの慣れっこだと言わんばかりに必要最低限なやり取りで救急隊を帰す。その間の僕、シカトされっぱなしでちょっと寂しい

 

とにかくレントゲン撮影が必要とのことで、ササッとレントゲン室に移動。ここで僕の驚異のスケジュール管理能力が火を噴く

レントゲン撮影ということは、ストレッチャーからレントゲン台に移動が必要だ。正確に言うと……

  • ストレッチャー→レントゲン台
  • レントゲン台→ストレッチャー
  • ストレッチャー→病室のベッド

このように3回の移動を控えている。

3回!!!!

あの地獄を3回も!!!!

あの情けない声を3回も出さなきゃいけないのか!!!!

何やってんだ行政はーーーー!!!!

突然湧き上がる謎の怒りをよそに、覚悟を決める間もなくレントゲン台に乗せられる。

にゃあああああああん!!!!

痛みと1分ほど格闘の末、なんとかレントゲン台に移動完了。この時点で成人男性3人分くらいの基礎代謝カロリー超えてんじゃないかと思う

移動が終わると今度はやる気のなさそーなレントゲン技師が到着。これまたおっさんなのかお兄さんなのか判別しづらい雰囲気。この病院の採用基準なのか

ダルさが前面に押し出されたキャラだったので彼をアンニュイと呼ぶことにする。

そしてアンニュイの第一声

アンニュイ「あー折れてんな」

あー折れてるよ!!!! 見てのとおりポッキポキやぞ!! お前のやる気のなさで心も折れそうやわ

アンニュイ「いてーだろうけど、足こっち向けて。はいそのまま。」

なんだろう、この事務的とも献身的とも言えないこの感じ。撮影中も奥の部屋で同僚と思わしき男性と談笑タイム。やっと一段落ついたかと思いきや

アンニュイ「あー……ダメだもう一回だな」

何!? アタイの何がいけなかったの!? 直すから悪いところは言って!!!!

成功してんだかしてないんだか分からないアンニュイのアンニュイな撮影会も何とか乗り越え、さっき受付にいたジーニーと女院長がやって来る。

女院長……

これが創作とかだったら色気ムンムン・俺ギンギン、今後の入院生活がバラ色に思えるような素敵で大人な先生が来るはずなんだが、あいにくこれは現実。そこにいたのは小太り仏頂面の、ただ偉そうな院長もどきだった……

なんで体型も声もやる気ねースタッフばっかなんだここは!!!!

そんなことを思いつつも、先生であることに変わりはない。ここは徹頭徹尾腰を低くお世話になる覚悟をしなければ……

女院長「急に来られても困るんですけどねー……」

俺、こいつ嫌い!!!!

普段であれば「あっそ」くらいに受け流せるセリフも、このセンシティブな足ちゃんのおかげで全て弱気に。足一本人質に取れられただけで、人間はこうも簡単に屈服してしまうのだ

それはおいといて、今度はブランブランになった足をギプス固定することになった。

嫌な予感……

というのも、僕は骨折自体は初めてじゃないので覚えてるんだけど、骨折治療の前段として折れて歪んでしまった部位を引っ張って真っ直ぐにする作業が入ってんの。

もうね、これがめっちゃ痛い。今まではちょっとした骨折だったので「よっ」ぐらいの力で戻せる状態だったんだけど、今回はガッツリ足。「おらっしゃああああ!!」の力でも足りないくらいのパワーで引っ張られる。

あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーー!!!!

思わず武道館満員ライブレベルのシャウトが出てしまう。他の患者さん、夜分遅くにすみません……

身をよじりながら藤原竜也も真っ青の濁点中心な雄叫びを数回繰り返したところで、ようやくギプス固定完了。これに関しては骨折治療史上ナンバー1の痛みだったと思う

エビぞりになって真夏のマンホールの上のミミズみたいな僕を冷ややかに見ながら女院長は言う。

女院長「手術が必要ですねー」

ぼく「は、はい……(焦燥)」

女院長「連休中だから遅くなるかもしれないですねー」

ぼく「そ、そうなんですか……(絶望)」

女院長「足の骨にチタンを入れて固定するので、そのチタンが明日届けば明日手術できるかもしれないですー」

ぼく「わかりました……(消沈)」

何なんでしょう、この文字で伝わりにくい苛立ち。ムカつく声のトーンというか、セリフはまあ普通なんですが、どうにも癇に障る態度とか口調ってありますよね。この女院長はそれら全てを備えていて、ハナクソでもほじりながら話しかけてきてんのかって錯覚するほどだった。今時Siriでももう少し心配してくれると思う

なんやかんやありながらも、なんとか最初の関門はクリアして病室へ向かうことに。

地獄の病室

病室は個室と聞いて安心した僕であったが、甘かった。

古い。とにかく設備が激古。

まず僕と同い年くらいじゃねーかってくらいのパラマウントベッドとクソ硬いマット。最近高反発マットレスとか話題じゃん? 僕自身高反発マットレス派で、自宅のベッドは高反発。でもこの病室のベッドは高反発とかいうレベルじゃない。もうね、石。石に布敷いただけ。ヤバイ

そして部屋。絶対ここで何か事件あっただろってくらいのおぞましいシミと手形がついてて、しかもなぜか湿度高め。こわい

え、なんなのこれは

病院って、もっと清潔感があるもんかと思ってただけに不安でいっぱい。骨折のため寝返りさえ打てず、硬いベッドで腰も痛いし、熱もある。つらい

病室のヤバさに戦慄を覚えている最中、嫁到着。非常に気まずい

「……」

ぼく「……」

「あんた~(呆れ)……」

ぼく「ごめん」

「どうすんの? 保険も入ってないのに」

ぼく「うう」

そう、急に現実的な話になるんだけど、保険に入ってなかった。正確にはこの事件が起きなかったら2日後に嫁のご両親に会って、保険の紹介をしてもらう予定だったんだけど、ギリギリ間に合わず……

こんな運悪いことある? マーフィーの法則ってあるじゃん? あの「トーストのバター塗った面が下になって落ちちゃう」とかいう逸話。
マーフィーの法則

僕の場合トーストのバター塗った面が下に落ちて、その落ちる先にウンコがスタンバってるくらいヤバイ。まあ自業自得だからそのウンコも自分のだったりするんだけど

ただ、嫁が電話口で聞いて想像してたよりひどい怪我だったらしい。嫁もちょっと引いてた

「まあ、こうなったら仕方ないから早く治すことを考えなよ」

ぼく「うん」

若干励まされつつも嫁の呆れる姿に壮大に落ち込む僕。時間的にも、嫁が来た時点で面会の時間はすでに過ぎていたので帰宅してもらう。手術は、おそらく明日できるとのこと。良かった……

とりあえず消灯して寝ることにする。

しかーーし!!!!

当たり前だが痛くて眠れない。

まず、シンプルに足が痛い!!

そしてクソみたいなベッドで腰が痛い!!

それから将来の不安と焦燥感で頭が痛ーい!!

これからの入院生活に暗雲が立ち込める中、今度は尿意が襲ってきた。看護師さんにトイレの方法を聞くが、

看護師「トイレには骨が安定してないから行けないわね……」

ぼく「はぁ……」

看護師「尿瓶も体勢を変えられないから、んー……」

ぼく「」

看護師「何とか頑張ってください」

え????

何かそういう放尿困難なときのためのビックリドッキリメカとかないの? ゆーて足の骨折よ? 未知の病ちゃうやろ?

結局手立てはなく、ゴリゴリいう骨の音に悶絶しながら単身で尿瓶にスプラッシュ。

んんんんんんんん!!!!

とかいう声にもならない声を上げながら用を足すアラサー。股間に挟んだ尿瓶が妙に温かく、気分はオネショ。足はボキボキだが、やっぱ出るもんは出る……俺のプライドを破壊するには十分すぎる量だ

心身共にいろんな痛みを満喫している中、鎮痛剤を使ったりもしたが、効いてるのか効いてないのかもよくわからず。

あん? ロキソニン? ボルタレン? そんなんで俺のペインが止まると思ってんの? 足ボッキボキ、精神ポッキポキやぞ

案の定一睡もできず朝日を見てしまった。それでも、手術してもらえるというだけで、希望の朝日だ。ここを乗り越えればあとは快方に向かうはず……嫁も朝から立ち会いに来てくれた。ありがとう

さあ、これからやっと手術だ!

希望と不安を胸に、僕は床ずれしそうなお尻をひたすら揉みしだいていた。

次回の骨折ダイアリー:骨折ダイアリーVol.3

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