ある日、この世界がゾンビワールドになってしまったとしたら、あなたはどうやって生き延びますか?
ホームセンターに籠城? 軍隊で武器を調達して無双? みんなで警察署に避難?
ノンノンノン、これらはどれも映画やゲームが作りだしたなんちゃってゾンビ対策集で、本当に生き延びたかったらもっと賢く行動しなければいけません。
今回は、いつゾンビワールドがやってきても生き延びられるよう、一般人でも対応できる現実的なゾンビ対策を展開していこうと思います。
もくじ
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ゾンビの世界は現実にあり得るのか?
ゾンビは大きく分けて「アンデッド系」と「ウィルス系」の2種類に分かれます。
アンデッド系ゾンビはその名の通り死者が蘇ったり、何か得体の知れない力で動かされているゾンビであり、倒しても倒しても蘇って襲いかかってくるという、非常にフィクションな設定であるため現実に出現するとは考えられません。
対してウィルス系ゾンビは人間が特殊なウィルスに感染した結果、脳や細胞に突然変異が起こり怪物化したもので、科学的な枠からはそれほど外れていないので、これに近いモンスターの出現は決して夢物語ではありません。
ゾンビの定義にもよるが、「感染する」「人としての理性を失う」という点をピックアップするならば、既存のウィルスでも当てはまる。
噛みつかれると感染するもので有名なのは狂犬病ウィルスで、感染した宿主を凶暴化させ死に至らしめるこのウィルスは、今でもなお世界中の犬や猫、コウモリなどの動物の中に存在しています。
また、ゾンビ化して定番となる「理性を失う」という要素はロボトミー手術などで脳のある部分が破壊されると凶暴性を増すという事例があるため、狂犬病ウィルスが突然変異を起こし、ピック病のように脳を侵す特性を持ったとしたら、それはゾンビワールドへの静かな序章なのかもしれない……
ゾンビのスペック
我々とこれから世界を二分するゾンビの設定だが、ここは世界で大人気の海外ドラマ『ウォーキングデッド』のゾンビを多少参考にしつつ、現実的な設定を適用させていこう。
- ウィルス系ゾンビ
- 知能は低く、罠を仕掛けたり等の高等な行動はできない
- ゾンビに噛まれると数日の潜伏期を経てゾンビ化する
- 筋力は一時的に向上しており、常人の1.2倍の筋力
- 反面俊敏さは失われており、常人の6割ほどの機動力
- 脳、もしくは心臓などの臓器を破壊されると死ぬ
- 飲まず食わずでの活動可能期間は3ヶ月
- 音に敏感で、音のする方へ引き寄せられる
活動期間、弱点を除いては映画やドラマに準拠した平均的なゾンビ設定だ。
『ウォーキングデッド』のゾンビ脳以外の攻撃に非常に強い耐性を持っており、首だけになっても生きていたりしましたが、かなりオカルトじみた設定であったため除外しました。
今回はこのゾンビが、場所は東京・季節は外国人観光客が最も多くなる7月の真夏に発生したというシチュエーションでサバイバル生活開始だ。
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対ゾンビ戦で使える武器・道具
ゾンビと戦うために強力な武器があるのは非常にありがたいことですが、巷でよくいわれる「ホームセンターで対ゾンビ武器をDIY!」みたいなのは絶対にNG。
まず建物の構造も把握できていない上、それほど堅牢な作りでもない日本のホームセンターに危険を冒してまで武器調達に行くというのがアホな行為ですし、わざわざホームセンターでないと調達できない過激な武器を使わなくても十分に戦えます。
対ゾンビ戦の武器で最低限押さえておきたい条件として、以下のようなことが考えられます。
- 繰り返し使えること(耐久性)
- 持ち運びが楽なこと(携帯性)
- 使った時に大きな音が鳴らないこと(隠密性)
この中で一番大切なのは繰り返し使えることで、電気や燃料などを使用するもの、弾数などが有限な武器は問題外。チェーンソーとか強そうやけど、音で仲間のゾンビ寄ってきて詰むで
日本人である以上、銃の調達なんかもできないと思われますので、一番頼りになるのはやはり包丁。
切って良し・刺して良し、隠密性もバツグンの刺身包丁(柳刃包丁)が家に常備されていれば無理して武器調達に出かけることもありません。
併せてバットやスコップなどで頭部を攻撃すればゾンビは脳震とうを起こして怯むので、そこをもう一人がすかさず包丁でサクッといけばミッションコンプリート。
ゾンビと言えど元は人間であったため、人間が受けるようなダメージや身体の異変(失血など)は避けられません。
2対1で慎重に戦うことで、余程非力な人でなければ勝てるはず。
また、自分の身を守るためには武器だけでなく防具にも気を遣うべきです。
せっかく良い武器を携帯していても、自分自身が無防備では武器を失くした時や不意に襲われた時にあまりにも不安。
かと言って剣道の防具のように機動力に影響の出る防具をつけっぱなしというのもリスキー。臭いし
そこで、腕や脚などのゾンビに噛みつかれやすい部位は、ぶ厚い布を巻くなどしてゾンビの歯を通さないようにしましょう。
これは現実世界でナイフを持った人間と対峙する場合も有効であり、不意に至近距離から襲われた時も、腕でガードすれば急所は守れるのでオススメ。
これらの武器や防具は生きるために必要なものですが、一番大切なのはゾンビと戦わないこと。
ゾンビワールドにおいて一番重要になるのは戦闘能力ではなく安全な物資調達ルートです。
閉鎖空間でゾンビに出会ったら戦闘は必至ですが、毎回危険な場所を通って物資の調達に出かけるのはあまりにもリスキーなので、なるべくゾンビに出会わない工夫が必要。
そのためには、ゾンビの習性を利用した「罠」を仕掛けておくことがポイントです。
ゾンビは人間と同じく聴覚や視覚、嗅覚などで敵を識別しています。
その中でも音には特に敏感で、少し音を立てただけで大量のゾンビ達が集まるシーンは映画やドラマでもよく見かけます。
この習性を利用して、音の鳴るものを屋外の見晴らしの良い場所に仕掛けてみましょう。
ゾンビはその音に釣られてずっとその付近をウロウロするはず。
そのウロウロしているゾンビが立てる音でまた別のゾンビが引き寄せられて、その付近は見事なゾンビステーションになるでしょう。
ゾンビが一点に集まることでいざという時一網打尽にできますし、ゾンビステーション以外の道はゾンビの過疎地域になりますので比較的安全。
罠を仕掛ける最初の作業こそ骨が折れますが、それをやり遂げれば日常的にあの忌々しい腐った顔を見なくてすむようになるので価値のある投資です。
ゾンビワールドで守るべき鉄則
ゾンビのいる世界に突入したら、生き残るために守らなければならない鉄則があります。
ゆーてゾンビ達は我々のように新しい技術を生み出すわけではないため、その習性を知り、冷静に対処すればその脅威は狼や熊などの野生動物と変わりません。熊怖いけど
ゾンビがいる世界では以下のようなことを常に意識しておくことが大切。
- 単独行動は避け、2〜3人行動を心がける
- 複雑な構造の建物には近づかない
- 大きな声を出さない
- 仲間が感染したら速やかに隔離し、同じ部屋で寝ない
- 無闇に戦おうとしない
野生動物と似ているだけに、対処法もそれほど変わりません。
特に気をつけなければいけないのは単独行動で、屋外で移動中に死角を作ってしまうことは非常に危険です。
最低でも2人一組で前後の視界を確保しつつ行動しましょう。
しかし、その反対に大人数での行動はさらに避けるべきで、人が集まった時に立てる音がゾンビを引き寄せることにもなり、結果被害が拡大してしまいます。
また、大人数で集まるということは行動の方針も定めにくく統率が取りづらいばかりか、仲間を危険に晒すような自分勝手なメンバーがいればそのグループが全滅に追い込まれることも考えられます。
災害で見ず知らずの人間が多数集まるというのはそういうこと。
ここは楽しいフェスや花火大会ではなく、生き残りを賭けたゾンビワールドであり、ふざけたヤツは「迷惑な人」ではなく「生命を脅かす危険人物」なのです。
ゾンビワールドでの行動は「信頼できる人物と少人数で」そして「人が集まるところには近づかない」が鉄則です。
併せて複雑な構造の建物に対しても注意が必要です。
ホームセンターや軍の基地、警察署などの武器がありそうな場所が有利となるのはその建物の構造を知り尽くした関係者のみです。
また、広い建物である以上見張りの人員もそれなりに配置しなければならず、私たち一般市民が避難場所として利用できる場所ではありません。
それどころか猛烈な戦闘が繰り広げられるであろう警察署や軍の基地に近づいてしまえば他のゾンビと一緒に流れ弾に当たってしまう危険も。
ゾンビワールドにおいて大人数でないと制圧できない建造物を活動拠点として使用するのはNGです。
複雑な建物は逃走経路が多い一方で、それがそのままゾンビの侵入経路になりがちなので、一度侵入を許してしまうと前後左右からゾンビが襲いかかってきます。
そして、この世界で一番の害悪となるのは「音を立てる人」です。
大声なんてもってのほかですが、やたら生活音が大きい人って皆さんの周りにもいませんか?
ドアバターン!
足音ドタバタ!
物置くときバーン!
くしゃみゥエアァァアアアッッックショアアア!!
こういう人達はゾンビワールドでは真っ先にゾンビを呼び込んで食われますし、仲間がいたとしても大いに疎まれます。
というかこれは平和な世界でも迷惑な話なんで、これを機にクソデカ生活音を改めましょう。くしゃみうるさくてスマン
仲間の感染も大いに注意しなければいけません。
感染した人間を差別したくないという人情は十分理解できますが、ゾンビ化は感染者本人もコントロールできないため、日常を共にするのは非常に危険。
眠っている間に気を抜いてゾンビ化してしまい、横にいたパートナーをむさぼり食うという結末はゾンビ映画やドラマでもお約束なので、せめて睡眠中くらいはドアや壁を隔てた場所で寝るようにしましょう。
最後に口酸っぱくいいますが、ゾンビワールドとはいえ極力ゾンビとは戦わないことが重要です。
目の前にゾンビがいて、目的地まで迂回すれば避けられるならば迷わずその道を選ぶこと。
ゾンビとの戦闘の間に立てた音で他のゾンビが寄ってきますし、途中乱入してきたゾンビまで対応するとなると、素人ではまず反応できずに食われてしまいます。
逃げられるならば逃げる!
人間はそれだけ脆い生き物なのです。
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ゾンビワールドで生活の拠点となる場所
さあ、いよいよ幕を開けたゾンビワールドですが、われわれ一般人はどこで日常を過ごすべきでしょうか?
ドラマなどではモールや刑務所などの巨大な建物を拠点として装備を充実させながら自警団を組織しがちですが、これまで語ったとおり、僕の考えるゾンビ対策としてそれは下の下の下のハナクソ以下です。
映画やドラマの定番を真似すると痛い目に合う理由には以下のようなものがあります。
- 海外ドラマや巷で語られるモールやホームセンターなどは広すぎて、限られた人員でゾンビの侵入を防ぎきれない
- また、一見有利に見える人員の豊富さも、会社組織や警察組織のように訓練された人間の集まりではなく行きずりの寄せ集めであるため統率を取るのが非常に困難
- 極度のストレス下でヤケクソになって暴力に走ったり、死ぬ前に己の欲望の解放に向かう人間さえ出てくる
これらの理由から、日常生活の拠点にはなるべくシンプルな構造かつ10階以下の低層階マンションを推奨します。
マンションが良い理由としては以下のような理由があります。
- ムダに出入り口が多くない
- ガラス窓等のゾンビが侵入する可能性のある箇所が少ない
- 暮らしやすい
特に出入り口の多さは、いざゾンビが襲って来た時の逃走手段の多さと思われがちですが、その分ゾンビの侵入経路として使われる心配もありますし、出口にゾンビが潜んでいれば結局正面突破しかありません。
日本のマンションのような狭い通路であれば、いざ戦闘になっても前後のゾンビだけに集中できるうえ、敵も前後1体そこそこでしか襲いかかれないので、階段からゾンビが上ってきても上から棒などで小突いてあげればドミノ倒しよろしく階段でバタバタと倒れやすい構造をしています。
あとはぶっ倒れたゾンビの頭をサクッと刺して、を階段から外に落っことせばお片付け完了。
ドラマなどでは銃がないと心細く感じる描写が多いですが、マンションの「高さ」とコンクリートの「硬さ」は十分武器として使えます。
さらに、日常的に居住するフロアとしては6~8階くらいがベスト。
バッチい話ですが、倒したゾンビから虫が湧いたとしても、6~8階くらいの高さがあれば虫もやってきませんし、ゾンビワールドで電気は供給されていないためエレベーターは使えないとして、階段で移動できる限界もこれくらいの高さです。見栄張ってタワマンとかに住んじゃうと地獄やで
また、ゾンビが階段を上ってきてフロアに居つくこともあるので、日常的にはマンションのベランダ等にある避難用はしご等で出入りするのが一番安全。
つまり「移動に少しだけ頭を使う」という状態にすることで、日常のゾンビ遭遇率をできるだけ下げているんですね。
もし大切な人がゾンビに噛まれたら
ゾンビワールドで起こる悲劇の中で一番悲しい出来事は身内の感染です。
皆さんは親兄弟、妻や夫が感染したらどうしますか?
悲しいことですが、のんびり構えている猶予はありません。
発症してゾンビ化し、お別れの時が来るまで精一杯一緒の時間を過ごしましょう。
ゾンビウィルスの感染は、言うなれば終末医療のようなもの。
毎日のヘルスチェックと患者のメンタルケアを大切に、できるだけ穏やかに最後を迎えられるように努めましょう。死ぬわけちゃうけど
一方で、一番やってはいけないのは、噛まれたからといって「こいつはもうおしまいだ」とか言いながら頭を吹っ飛ばしたりすること。
ウィルスというのは感染力がある一方で、免疫を持っている人間の存在も考えられるため、噛まれて感染しても助かる可能性はゼロではありません。
それどころか、一人の抗体のおかげでワクチンを作ることができて人類を救う結果になるなんてことも。
噛まれた時は死(=ゾンビ化)を意識するかもしれませんが、最後まで望みを捨てず助け合いましょう。でも隔離は忘れずに
まとめ
映画やドラマでポピュラーなのろのろゾンビならば一般的な蓄えと環境で十分対応できることが分かりました。
ゾンビの出現は今すぐ危惧することではありませんが、それに備えておくことは、併せて別の災害に備えておくことにもなりますので、自分のため・愛する家族のために最低限の蓄えはしっかり行っておきましょう。
現場からは以上です。
エンド
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