「親から『親に感謝しろ!』と言われるんだけど、それってどうなの? 当たり前のことなの……?」
この記事を読みに来てくれた人は、「親に向かってなんだその口のきき方は!」「育ててもらっておいてなんだその態度は!」みたいな言葉を親に浴びせられた末に検索された方でしょうか。
正直、僕はこの言葉大嫌いです。
もうね、どゎい嫌い。
僕自身、そういった経験もありますし、あなたと同じようにこんな疑問を何度も何度も考えました。
今回は、このような疑問を持つ方のために「親に感謝しろ」という言葉の是非を体験談を交えてお話ししようと思います!
この記事を読むことで、モヤモヤしていた自分の中の疑問が晴れて、親の気持ちや考えも理解できるので、接し方も変わってくるはずです。
もくじ
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「親に感謝しろ」は親が言ってはならない
まず大前提。
あなたが感じている疑問、「親に感謝しろ」は親が言うことなのか? については、親が言うことじゃありません。
こんなことを口走っている時点で、恩を着せて子供をコントロールしようという気マンマンですね。アカン
そら「俺だって産んでほしくてここにいるわけじゃねーよ!」って言うやつも出てきますわ。
親側からすると、子供のこの言動は不遜な態度に思われるかもしれないけど、これは真実です。
だってその家に生まれたくて出てきたわけじゃないもん。勝手におたくらが愛し合って気持ち良くなって作っちゃった系でしょ?
そう、シンプルに考えるとそれ以上でもそれ以下でもないのです。
「親は尊敬するもの」「親は感謝するもの」と考えるのは子供自身の自発的な思考であり、強制すべきことではない。
また、親への感謝を教えるのは親以外の周囲の人間であり、決して親自身ではありません。
「感謝の気持ち」はされたほうが感じるもの
これは人間のごく普通の反応ですが、「俺に感謝しろ!」「俺を尊敬しろ!」と言われて、「その通りですね!」って返事する人はまずいません。
そこで同調する人は、下心があるか、さらにその先に見返りを期待しているから。
これは「感謝しろ」と言っている親自身でさえ、自分の立場を子供に置き換えたら反発します。
なぜなら、人は言動や行動などの何らかの形で「(強制的に)自由を奪われた」と本能で感じ取ると、反発心が生まれるから。
この理論を「心理的リアクタンス」といいます。
今回の場合は、何かしら親に思うことがあるのに、その気持ちに無理やりフタをするように「親に感謝しろ」と言われることで、思考の自由を奪われたと感じたわけですね。
つまり、感謝の気持ちは自分から強制してはいけない、逆効果ということです。
あなたが感じた親へのモヤモヤは、そんなところから来ています。
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恩を着せられ続けると、生きるのが窮屈になる
僕の母はこの記事にあるような、典型的な「恩着せ系」の人。
僕の口答えはもちろん、注意や諫言に対して最終的には「今までこれだけのことをしてあげたのに、親にそんな口を利くのか!」とよく言われました。
これは、妻の妊娠が発覚した時の話。
おめでたい話ですが、万が一の事態も考慮して、後期に入るまでは家族親戚以外には黙っていてほしいとお願いしていました。
しかし母は、そのことをすっかり忘れて他人にしゃべってしまったのです。
「くれぐれも話さないように」と念を押していた僕は、母に対してすぐに抗議の電話を入れました。
妻も近くで聞いてたのですが、「そんなひどい言い方だったようには思えないけど……」と味方してくれました。
この会話の何が辛いって、「人の秘密を話してしまった」という母への注意から、「親の恩も知らず好き勝手ものを言うひどい息子」という話に逸れてしまったこと。
僕と母の会話は、僕が小さな頃からずっとこんな感じでした。
この時の「(ミスをしたけど)自分は悪くない」という母の状態を心理学用語でいうと「認知的不協和」と呼びます。ありのままの自分を受け入れられない人は、この認知的不協和に負けて相手を攻撃し、自分が正しい存在だと錯覚するのです。
そして、この行動が習慣化した人は、他人の力ではどうにもなりません。ひたすら独善的な価値観を押し付けられるのみ。
僕はこれ以降、母と連絡を取るのをやめました。
怒りとかそういうのではなく、単に「ここまで『親への感謝・尊敬』を押し付けられると本当に窮屈だなー」と感じたからです。
ここまでくると、「親」じゃなくて「王様」やん。奴隷は社畜生活だけで十分やわ
大人になった今、親だの子だのの概念で罵り合っても仕方がないので、大人でもこの悩みを持って親と接している方は、親と離れるのも一つの手だと思います。
見る人によっては悲しい幕引きになってしまっていますが、僕には自分の家庭もあり、毎日楽しくやってるので立ち直れないほどのダメージではありません。嫁子供ラブよ
子供が「たかり屋」になってはいけない
ここまでの話を総評すると、完全に親側に非があって、非難されるべきという印象を持たれたかもしれません。
子は弱者であり、「子は親を選べない」「好きで生まれたわけじゃない」という気持ちもあるかもしれません。
しかし、あなたも人生の中で楽しかったことはあると思います。おいしいものを食べたこと、友達と笑ったこと、とかね。
それは親が生んでくれなければできないことであり、親からのささやかなプレゼントです。
「俺は好きで生まれたんじゃない! 俺は弱者! 賠償! 賠償!」と自分の不遇ばかりを主張するのは、単なる「たかり屋」であり、某国の国交術となんら変わりありません。
僕は芸人の有吉弘行さんの「弱さも振りかざせば暴力」という言葉に、とても感銘を受けています。
「親に感謝しろ」を親が言うことじゃないと同時に、「子供は弱者。子供を大事にしろ」は子供が言うべきではありません。
親には言われっぱなしで癪に障るかもしれませんが、同じようなことを言い返したらあなたまでくだらない大人になってしまいます。
感謝する部分は感謝し、悪い部分は悪い部分で冷静に見つめて自分の生き方に活かしましょう。
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「親に感謝すること」は絶対ではない
「親に感謝しろ」と言われてモヤモヤしていた人は、少しでも気は晴れたでしょうか。
「感謝すること」に明確な規定はありません。
だから、そんなことを言われてモヤモヤする自分に「自分って感謝が足りない、傲慢な人間なんだろうか」なんて考えてしまうこともありません。
そもそも、こういう言葉が出る場面は「親に感謝」とか全く関係ない話の中に出てくることが圧倒的多数なので、単に「親も何かしら追い詰められて、つい言ってしまったんやろなぁ……」くらいの理解でOKです。
あなたができることは、自分が親になったとき、子供に同じことをポロっと言ってしまわないようにすること。
自分の体験を通して、それを実感できたのはとても貴重なことなので、同じ過ちは繰り返さないように気を付けましょう!
自分の親と全く同じで笑いました。
大学生なんですけどいつも感謝しろって言われて親に泣かれます。
割と日頃からありがとうって言ってるのに一度も聞いたことがないとか言われてどうしたらええねん、って感じです。
就職したら家出るつもりだったんですけど、犬飼おっか?とか同居すること前提に話進めてくるしめっちゃ重たいです。
精神的に弱い親やから毒親なったんやと思うんですけどしんどすぎて家出たくて仕方がないです。
でも罪悪感もあってどうしたらいいですか?
>まるふぉいさん
コメントありがとうございます!
泣くタイプの親御さんですか……突き放すと罪悪感ハンパないやつですね。
僕は最終的には「親の満足する子供になるか」と「自分らしく生きるか」を天秤にかけて、後者を取りました。
親の満足する子供になったとしても、「それで人生がうまくいかなかったら親を怨んじゃうかも」と思っちゃって、じゃあ自分らしく生きて苦労したほうが自分の人生にも責任が持てるのかなーと。
「親を怨まないために親を突き離す」と言うと、万人に同意は得られないかもしれませんが、少なくとも僕はそのおかげで以前より楽しく生きて行けてます!
まさに自分の親の発言がタイトルになっていて、
読ませていただきました。
「こんなにしてやったのに」などの発言、家の中で監視のような状態になっていたのが本当におかしいは状況と認識できありがたいです。
親に感謝しているところや長年してくれたことにはありがとうと思うけど、価値観の強要や強制はやはり違いますよね。
父親はデリカシーもない点があり、
言える時にストックしていた私を責める材料を全て使い、事実確認もせず、会社にいるのと同じような振る舞いで大声で言いたい放題捲し立てる所に
理不尽さを感じていました。
関わりたくないので、家を出て離れることにします。
自分がおかしいんじゃないかと思った時期もありましたが、こちらの記事で助けになりました。
ご経験を共有してくださってありがとうございます。
>まっしろ さん
長いこと苦労されてたんですね……
>言える時にストックしていた私を責める材料を全て使い、事実確認もせず、会社にいるのと同じような振る舞いで大声で言いたい放題捲し立てる
これはつらい。一緒に生きていて、一切のミスも許されないような、窮屈な環境になっちゃいますね。
しかし、人間不思議なもので、一緒に過ごしていると自分もだんだんそういう価値観に染まってしまうので、家を出る決断はとても良いことだと思います!
新天地で新しい価値観と良い未来が築けることを願っています!!
探してみると、同じような人がいるもんだなぁと驚きました。
私もよく感謝しろと言われ、両親が親自身を可哀想、、、と主張するのを見て育ちました。本人たち曰く、自分が幼少期されて嫌なことをせず育てているのだからあなたは恵まれているから感謝しなければならないとのこと。
高校生の時に海外逃亡しましたが、海外の滞在はホームステイで、そこでの親代わりの方々にも(初めこそ何も無かったのですが、最後には)一挙手一投足感謝を強要されてしまいました。
私は日本では誰かに愚痴を言ったことはありませんでしたが、流石に異国の地で心細く思ったのか、自分から周囲の人に相談したところ、「感謝は強要するものではない、今いる環境がおかしいよ」と言ってホームステイ先を変更してもらい、そこで知り合った人たちの愛に触れて、心からの感謝と自由を感じることができました。辛い時は周囲にSOSを出したり、物理的に距離を置くのは、本当に自分自身の為になります。離れる前後の写真では、顔の印象がガラッと変わるほどです。笑。
日本に帰ってきてからは暫く両親と共に暮らしていますが、それはもうすぐ結婚して家を離れるので、それまでは側で最後の親孝行をしようと思ったからです。また、この学びは自分の子育てに活かしたいと思います!皆さん一緒に頑張りましょう。
親に感謝しろって言われるのがいつも嫌で、同じ境遇の人がいてなんだかホッとしました。
私自身まだ親と同居していますが、このままだと親を恨んで歳を重ねそうと感じています。
一人暮らしするといったらわーわー言われて未だに実家ですが、親から距離をとってくれたので少し落ち着いています。
ただ、自分の人生を取り戻す意味でもやはり物理的距離も置いた方がいいなぁと感じました。