日本を代表するロボットアニメは何か?
間違いなく「ガンダム」だと思う。「マクロス」とか「ボトムズ」とか「マジンガーZ」とか色々あるだろうけど、道行く人に唐突に「ロボットアニメといえば?」と聞けば世代の違いは多少あれど「ガンダム」と答える。はず
そしてお隣の国ではロボットの固有名詞が「ガンダム」になるという驚きの文化だ。(だからと言って「ガンダムの起源は我が国だ」とかいうのはやめてほしいが)
ただこんだけ有名な作品なのに未だにファンとそうでない人間の垣根は高い。
エヴァはパチンコになってそれなりに浸透し始めたのに、ガンダムはまだ遠い存在のままだ。
僕はガンダムが好きだ。
「あの作品はクソ」とか「これは良作」とかいう区分は特にしてない。つまり全部愛すべき対象に入ってる。
そんな僕だからこそもっと色々な人にガンダムの面白さを知ってほしい。
そこで問題になるのが「見る順番」だ。
通常ならば一番最初の「機動戦士ガンダム」から観るべきなのだろうが、如何せん今の綺麗な作画やデジタル塗りのアニメと比べると、古臭く、そして荒い。
「それが味になる」と言えるのはあくまでそれまでの視聴歴があっての話で、初心者からは当然受け入れられる話ではないのが悲しいところ。
というわけで、(好きだけど)わりとライトな視聴者である僕がどういう順番でガンダムを視聴してハマッたかを紹介します。
これで観たことがない君ともガンダムが語れるネ☆
もくじ
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1作目 機動武闘伝Gガンダム
この作品は当時「ガンダムに非ず」と罵られてきた作品。
何故なら「ガンダムの皮をかぶったドラゴンボール」だから。
主人公含む登場人物は基本的に「機械の操縦」という形でガンダムを扱わず、自分の動きに連動する「分身」という形で使用している。
また、舞台設定が「戦争」ではなく、表向きは「格闘技大会(ガンダムファイト)」の様相を呈している。(実際は戦争に絡んでいたりもするが)
だから初心者でも見やすい。だからドラゴンボールに近い。
技名はド派手に叫ぶし、試合など「天下一武道会」と同じだ。
唯一ドラゴンボールと違うのは、絶妙な恋愛描写の挿入。
登場人物の愛し愛されが泥臭いガンダムファイトの合間合間に入ってくる。
しかしその設定が物語の本筋を邪魔することなくしっかりと描かれているのはスゴイ!
最終章など、全宇宙を巻き込んだ愛の嵐が吹き荒れる様は、見ていてこちらが顔を赤らめてしまうほど真っ直ぐであり、そして胸を打つ。
というわけで初心者はまずガンダムの「見た目」に慣れるためにこの作品を観ることをおすすめする。
なお、一時期はメッタメタだった本作の評価もネットの発達に伴いファンのコミュニティーが増加し、立派な一ガンダムとして熱狂的な支持を得ている。
ここからガンダムの世界に入った僕としては嬉しい限り。
2作目 新機動戦記ガンダムW
この作品からいよいよガンダムが長年扱ってきた「戦争」の世界に本格的に入り始める。
この作品の特徴はとにかく(絵的に)美しい登場人物がいっぱい出ます。
老若男女大体美しく、悪役は醜いものが多い。
主人公は美少年たちで、その美少年たちがガンダムを操り諜報活動やら破壊工作やら行います。
少年兵だとか、少女が爆弾抱えてテロだって言うのは某国も現実にやってますが、それほどのエグみは持っていないので安心して観れます。
そして演出もド派手。ロボットのディティールも洗練されているので、20年ほど前の作品にもかかわらず今見ても全く古さを感じません。
5人の少年たちの性格も個性的で、個々にスポットが当たるシーンも多いので必ず誰かが好きになる。
ここで「あーガンダムの戦争って敵がずっと敵でもなけりゃ味方がずっと味方じゃないんだなー」っていうのが綺麗な絵で分かってもらえるはず。
OVAなどの派生作品もあり、お姉さま方にも人気があった模様。
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3作目 機動戦士ガンダムZZ
本作からついにガンダムの「中軸」であり、今でも派生作品が作られ続けている「宇宙世紀」シリーズに突入する。
前に紹介した2作はGガンダムが「未来世紀60年」、ガンダムWが「アフターコロニー195年」という、異なった時間軸での物語だった。(所謂「パラレルワールド」)
ガンダムZZは「宇宙世紀0088年」という暦があり、初代ガンダムの「宇宙世紀0079年」としっかり時間のつながりがあり、世界観も共有されている。
さらに第一話「プレリュードZZ」は初代~Zガンダム(一作前)までの経緯をダイジェストでお送りしてくれると言う親切設計。
それを観れば「あーこれがアイツの言ってたガンダムの世界なんだなー」って言うのが少し分かるはず。
なおかつガンダムって、割と人が死んだり、思い悩んだりの暗めのエピソードも結構あるんだけど、ZZは明るめの話で始まってくれるので最初から心が折れにくいよ!(後半はシリアス展開だけど)
スーパーロボット的な派手な演出と、ガンダムをリアルな「兵器」として捉えた絶妙な描写が魅力の一作。
ちなみにこちらは未だにファンの少ない「いらない子」扱いされているけど、僕は数あるガンダム作品の中で1,2を争うほど好きです。
アニメじゃない! アニメだけど
4作目 機動戦士ガンダム
ついにきた初代!
これまで3つの作品を見てきたけど、だいぶ世界観や絵に慣れてきただろうからそれほど古さにアレルギーを示すことはないだろうと思う。
それまでの作品の始祖となった設定や描写であるため、この段階で展開に対して理解に苦しむことはないはず。
この作品では今までと違い複数のガンダムは出てこない。
「ガンダム」とは秘密兵器であり、唯一無二の実戦投入された試作機なのだ。(後に派生試作機とかの設定が爆発的に増えるけど……)
この物語は「戦争」という設定を通して主人公・アムロ=レイとその仲間たちが成長し、「人の革新」と呼ばれる「ニュータイプ(エスパーみたいなもん)」に目覚めていく様を描いており、それに覚醒したアムロはまさにヒーロー。
第一話では親父が軍の偉いさんであるただの引きこもりだったヤツが、ここまで成長する姿は見る者に希望を与えてくれる。
作画に関しては話数ごとに酷いものもあるけれどもそこはご愛嬌。
ただ音声に関しては、原版とリマスター版があるが、絶対に「原版」をおすすめする。
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5作目 機動戦士Zガンダム
これは初代ガンダムに続き2作目となる作品であるが、なぜ5作目に観るべき位置付けにしたかというと、とにかく「暗い」からである。
実際は暗いシーンばかりではないが、何か他の作品が持っている「暗い戦争の中にある爽やかさ」みたいなものがほとんど感じられない。
ただ、そこが現実味があって観ているものを引き込むという魅力はある。(僕は連続で何話も観れないけど)
何よりこの作品で焦点となるのは軍内部の「内ゲバ」である。
それまで「地球連邦 対 ジオン公国」という勢力単位での敵味方の構図が、「地球連邦の中のティターンズ 対 エゥーゴ」といったように、一勢力の中で行われる。(この設定はガンダムZZにも引き継がれるが、こちらの方が顕著)
また変形モビルスーツの登場も多岐にわたり、敵味方様々な変形型モビルスーツが作られ、実戦投入される。
Zガンダムを含むモビルスーツたちは前作と打って変わって尖ったデザインが多く、当時は「こんなのガンダムじゃない!」と不評だったようである。
ちなみに僕は、Zガンダムのデザインが一番好きです。プラモでうまく立ってくれないのが珠にキズ
また、初代の続編ということもあって、過去に活躍したアムロやその仲間たち、シャアも登場するため観ているものを飽きさせることはないだろう。
先に「ガンダムZZ」を紹介しているため、成長したハヤトさんを見るといたたまれなくなるかもしれないが……
ちなみにタイトルである「Zガンダム」は物語中盤での登場となる。
6作目 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(劇場版)
時は宇宙世紀0093。長きにわたるアムロとシャアの関係についに終止符が打たれる!
「Zガンダム」「ガンダムZZ」の時を経て、二人はさらに成長し力を蓄えた。
この作品は劇場版で120分ほどなので普通の映画と同じくサクッと観られる。
これまでに観てきた宇宙世紀シリーズの一旦の締めくくりというべき作品。
「ニュータイプって結局何ができんのよ?」だとか「主人公たちの戦争観や人間観」なんかの、右も左も見ずに必死に戦っていた頃には見えなかった題材・取りこぼしをここでしっかりサルベージしている。
ラストに関しては諸説あって、監督である富野氏からは一応の結論が述べられているが、もはやその枠を超えてキャラクターが独り歩きを始めたため監督の言葉に疑問を覚えるファンも少なくないようだ。
それよりなにより僕がショックだったのは、アストナージが割とサクッと死んでしまったことだ!!
7作目 機動戦士ガンダムF91(劇場版)
「逆シャア」で一旦終わった宇宙世紀シリーズにニューウェーブ到来!
時は宇宙世紀0123年。相変わらず人は戦争をしており、今回もとあるコロニーがその戦火に巻き込まれる。
この物語の主人公・シーブック=アノーは(ZZ除く)今までの主人公と違い、とても社交的でイイ子。
しかししっかり「富野節」と呼ばれる監督らしいセリフ回しを使う。
「逃げまわりゃ死にはしない」だとか「だってよ・・・アーサーなんだぜ?」「なんとぉぉーーー!」なんかは、典型的。
本作でもガンダムは1機のみの登場なんだけど、今までの作品以上に「初心者向け」にガンダム及びモビルスーツの構造や動かし方を物語に自然に盛り込んでいる。
例えば壁に掛けてあるガンダム用のビームライフルを掴む時、手動ではスカッと取り損ねてしまう際に、メカニックに「何やってんの! 直前になったらオートでやるんだよ!!」と怒られるシーンは「なるほどー!!」と感心。
そりゃそうだよね、あのレバーだけで細かい指の動きってどうやってんだろうと長年の疑問だったもん。
敵は分かりやすく鉄仮面の怖いおじさま。
見た目に違わず投入される兵器も無慈悲なものばかりで、まさに「戦争こええええ!!」って思うこと間違いなし。
ここでまた宇宙世紀は一旦おしまい。(派生作品は続く)
8作目 ∀ガンダム(ターンエーガンダム)
ここで紹介するガンダムとしては、最後の作品。
「∀」というのは記号で「すべての~」を意味し、文字通りすべてのガンダムを総括する物語である。
「すべて」というのは「宇宙世紀シリーズ」だけでなく、先に紹介した「Gガンダム」や「ガンダムW」それに現在も作られている新作も、文字通り「すべて」だ。(「Gのレコンギスタ」は除く)
そういうわけでこの物語の設定は「過去の文明が滅びた後」となっており、世界観の違うガンダムを含めた数百年だったり数千年後だったりする。(この辺の設定は公式や監督の意見なども相違が多く、結構適当である)
文明はリセットされているので非常にアナログな生活様式だったりするので、絵的にはとても新鮮。
その中で発掘されたのが∀ガンダムであり、その他のモビルスーツであったりする。
僕はこの物語の魅力は、ガンダムがダサカッコいいのと、すっとぼけたキャラがいっぱい出てくるところだと思う。
特にキャラクターに関しては、急に踊りだしたり泣き出したり情緒不安定なのが多いし声優さんもノリノリで声当てやってるのがすごく伝わってくる。
物語の根幹に触れると結構根の深いところまで話を広げてくる(黒歴史とかね)が、最初は「あははー何これーw」みたいな感じで観ててもいいと思う。気になったらもう一回観てじっくり考察してみたり。
ガンダム観るならプライム・ビデオで!
魅力的なガンダム作品の数々ですが、ブルーレイやDVDを置くスペース・購入代などを考えるとちょっと……という人、多いと思います。
僕も本棚なんか満杯なのでこれ以上DVD置くスペースがないの。
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気に入ったらずっと続けてればいいし、一回のぞいてみるのもいいかも!
ちなみに僕はガンダム以外にも海外ドラマとか、特撮とかめっちゃ見てます。
いくら見ても見つくせないぜ!!
まとめ
ガンダムという作品は、ファンの思い入れがとても強く、どこか「崇高な作品」として語られる側面も少なくない。
だけど僕はそんな風に考えず「一つのロボットアニメのジャンル」とライトな目線で観る方が各作品の良いところや面白さ、カッコよさなんかに触れることができると思う。
だからこの記事を見てガンダムを観る気になって、そして好きになってくれた人には「このガンダムは神」「あのガンダムはクソ」だとか言ってほしくない。
ここで紹介した以外にも面白い作品はいっぱいあって、すべての作品に違った良いところがあるから、この先はそれを見つけてみてください。
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