交通費節約のため青春18きっぷで就職面接に行った話

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 もうね、言わせて。マジで言わせて

 

飛行機って何であんなに運賃高いの?

 

東京⇔熊本(僕の地元)間を往復で28,000円!? これ最安!? ホワッツ!?

 

しかも季節や時期によって値段が変わるらしい。ざけんな

山手線が連休で値上がりするか? 年末年始に東西線が予約で埋まって乗れなくなるか? あぁん!?

 

分かってる。自分でも飛行機に対する自分勝手かつ熱いやつあたりであることはよ~~~~く承知してます。

そらそうよね、飛行機さんはどんなクソ遠い距離でもマッハっぽいスピードで僕らをピューっと届けてくれるもんね。しかも範囲は隣県から海外までと幅広い。

東京⇔熊本間を1時間30分で結ぶという、まさに夢の乗り物です。

 

しかし運賃が高い

 

そう、これは僕という一貧乏マンに課せられた制約であり試練でもあるのだ。

だから20代になりたてのピュアで無垢で貧乏で就職活動中のボクチンは

 

「青春18きっぷ」で移動して面接の費用を少しでも節約しよう!

 

と画策していた。

青春18きっぷ – Wikipedia

 

バブルがはじけ、就職氷河期に突入した昨今、どこの馬の骨か分からんボーイに交通費を支給してくれる優良企業は数少ない。当時この選択は必然であったように思われた

 

高速バスという手もあったのだが、如何せん僕は乗り物酔いが激しい上に閉鎖空間でじっとしてるのが非常に苦痛だ。だからこの線は迅速に除外した

ちなみに乗り物酔いがどんくらい酷いかというと「車の運転をしていて、自分がハンドルを握っているにもかかわらず酔う」レベル。

 

ほんで結論から言うと、この面接旅行(?)は二度とやりたくないと思いました。

同じように東京から遠く離れた地方の人間が面接費用削減のためにと同じ手を考えてたら僕は全力で止めます。

まだ「肩叩きでお小遣い貯めて飛行機代に充てたろ!」の方が将来有望です。

 

とりあえずその顛末をこれから語っていこうと思います。

 

もくじ

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所要時間は丸一日

 ちなみに言うと青春18きっぷの値段は約12,000円で、ある期間の5日間分はJRの電車に乗り放題になります。(特急などの特別な電車は対象外)

飛行機の東京⇔熊本間の往復券と比べると28,000-12,000=16,000と、なんと半分以下の値段で買うことができます。ちなみに東京⇔熊本間をJRの電車で行くと大体熊本の始発(5:00とかの電車)から乗って深夜快速を経由して翌日の6:00ごろに品川に到着します。(多分大体の人がこの時点で飛行機に乗る選択をすると思う) 

 

ということは!

就職活動の場合、面接の2日前に出発、1日前に現地に到着して、1日ゆったり休んで身体を東京に慣らし、翌日朝に面接に挑めば万全の状態でいけるんじゃね!?

宿泊代も1日分で済むし、そこは航空機代との差額で十分いけるんじゃね!?

地味に東京観光もできそうだし

 

今思えばほんとクソみてーな算段だったと反省しています。半ばぶらり途中下車の旅みたいな面持ちだったんでしょう

 

それでも当時の僕は「俺は……這い上がってヤンぜ!」みたいなトッポさだけでこの旅に大きな希望を抱いてました。

熊本から発車した瞬間なんか「ヘッ……運命の歯車が回りだしちまったゼ」みたいなことを考えてました。小声でつぶやいてた気もします

 

遅延に補償がない

 この青春18きっぷの困ったところ、それは「もし電車が遅れて乗り換え先の特急などに乗れなかった場合の補償が一切ない」というトコ。

 

普段都内なんかで電車に乗ってると、振り替え輸送があったり、運転再開までの間隔もそれほどだったりするんですが、僕が乗っているのは熊本からの主に鈍行電車。乗り換えの回数なんてそれこそ数十回単位。こんだけ乗りまくってたらどこかしらの駅で問題が起きて止まったりするわけですね

 

僕が体験したのは、予約して乗らなければいけない深夜快速・ムーンライトながら(岐阜県の大垣駅~東京駅を結ぶ)に、山口~岡山間の電車遅延で間に合わなくなったことでした。

 

これはホント焦った。

新山口駅を出たあたりで急な豪雨に襲われ、電車が20分ほど停車。

その時の僕は「はよ進まんかなぁ……」程度の認識だったんですが、よくよく時刻表を見るとどんなに頑張って乗り換えの間隔を縮めても予約した大垣駅の深夜快速・ムーンライトながらの発車時刻に1分だけ間に合わないんですね。

 

本来、その山口のもたつきがなければ途中の1駅で10~20分くらいの乗り換えの余裕が見込めたんで、駅弁でも買ってゆったり行こうかなくらい思ってたんですが、完全にチャラ。っていうかマイナス

 

そらもう倉敷駅で駅員さんにガチヘルプを頼みました。

 

ぼく「な、なんとかなんないっすか……」

 

駅員さん「あー、青春18きっぷはそういう遅延とかの補償ないんすよ。」

 

ぼく「マジすか……」

 

駅員さん「どーしてもムーンライトながらの発車に間に合わせたいなら、もう少し先のの岡山とかで新幹線に乗るとかですかねー」

 

ぼく「」

 

うそおぉぉおぉおおおん!? せっかく節約のために飛行機代ケチったのに新幹線乗るのぉおぉおおお!?

この時ばかりは頭が働かなかった。今思えば選択肢は2つあった

 

  1. 指示通り新幹線に乗って大垣まで行く
  2. 鈍速でいけるとこまで行って途中ホテルに泊まって翌日再スタート(深夜快速はあきらめる)

 

でも! どっちも! 余分に金かかってんじゃねーーーーかーーーー!!

 

そう、ここまで来たら意地です。当時の僕は思いました

「こんなイカれた駅員の口車に乗せられて、JRの養分なんかにならへんぞ!!」

 

駅員さんごめん。僕が間違ってました。僕こそがイカレポンチでした

僕は焦りと絶望にパニクったまま、鈍速電車に乗り込み何度も何度も時刻表をにらみながらリルートしてました。

 

でも! やっぱり! どうあがいても!

1分足りねーーーーーー!!

 

クソッ……こういうときの鉄道の時間に対する几帳面さがムカつく……

 

そんなことをブツクサ言いながら電車に乗っていると、気付けば岡山駅。

もうダメかと思い、観念して新幹線の乗車券を買う……かに見えたその時!!

 

駅アナウンス「ただ今~山口~倉敷間の大雨による遅延を受けまして~、○○番線より臨時快速を運転しておりますぅ~。」

 

ぼく「これだああぁぁxっぁっぁ!!!1111」

 

たぶん20代周辺の数年間で一番叫んだと思う。

だってよ!? 大雨の遅延はおいといても、すでに熊本始発からの電車に乗り換えを何十回も繰り返して合計10時間以上電車に乗ってたワケ。

それでおいて遅延+補償一切なし+さらなる出費の可能性なワケ。(自業自得です)

そらもう身も心もボロボロやわ

 

しかーーーーし!

この特別快速に乗れば、1分だけ間に合わなかった大垣駅に5分前くらいに着く!!(それでも5分)

 

ほんで一番ヤバかったのはこの特別快速の乗車率。

もうね

 

土曜日の終電、しかも中央線快速? 乗車率200%? ハハッ

 

くらいのレベル。中央線が200%だとしたら今回の特別快速は300%くらいあったんじゃないかと思う。人の圧でマジで電車がはじけ飛ぶんじゃないかってくらいのギュウギュウ具合

 

ぼく「よし乗るぞ! あっこの車両満員……じゃあ隣! あっこの車両満員……じゃあ隣! あっこの車両(以下ループ)」

 

もうどこに乗っても同じだと悟った僕はプレスされたような顔した乗客の中にキャリーケースと共に飛びこみました。

駅員に押し込まれなんとか閉まるドア、直後に窓に押しあてられる僕の顔。

今思えば押しあてられる程度で良かったと思います。マジで圧死した人いんじゃねーかってくらいのプレッシャーだったもん

 

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思えば何も食べてなかった

 何とか臨時快速というJRの寛大なる温情とも慈悲とも言えるありがたいお手配により、発車5分前の深夜快速に滑り込みセーフで乗ることができた僕。あとは乗り換えなしで東京に行ってくれる……

 

しかしここにきて僕は気付く

 

メシ食ってねえ!!

 

そう、メシはおろか、水さえも飲んでいない。

元々この旅自体、電車同士の乗り換えは0分~長くて8分ほどという超過密スケジュールでないと間に合わなかった。

それでおいて突然の遅延、そして常に必要とされる手元の時刻表のチェック……

もはや安息の時間など無いに等しいこの状況を何とか乗り切るために必死にあがいた結果がこれだ。せめてジュースでも荷物に詰めていればよかった……

 

無慈悲に東京を目指す深夜快速。

メシも食いたいけど寝たい気持ちもある。そんな意思決定の薄弱な身体を揺らしながら、気付けば恵比寿駅。結局は何も食べれず、慣れない電車泊で寝ることも叶わず……

 

面接地は新宿だけど、僕が泊る予定のカプセルホテルは恵比寿にあった。

初めて降りる大都会・東京の駅は憔悴しきった僕にとって色のない、とても乾いた景色だった。

 

そして最寄りのコンビニを目指し歩き出す僕。

ここで身体の異変に気付く

 

ぼく「歯が抜けそう」

 

そう、極度の緊張・ストレス、不足した栄養が重なって歯茎が本来の機能を失ってたんでしょう。

 

めっちゃ揺れるの、歯が

 

もうね

 

ハハハッ!

 

って笑ったらその後「痛っ!」って言うくらい歯ぁグラグラなの。

僕は思った

 

人間が機械だったら電池が切れる瞬間ってこんな感じなんだろうな……

 

そんなことを考えていると目の前にはミニストップ。

とりあえずお茶とシャケ弁みたいなのと柿の種を買って一目散にホテルへ。

 

そこで食べたお弁当の味は一生忘れないと思います。

っていうか食った瞬間涙があふれて泣いてました。

 

まず食ったのはシャケ。

塩辛い! 塩辛いぞおぉおぉぉおおおお!! でもうまいぞぉぉおおぉおお!!

そのシャケの塩辛さが消えぬうちにご飯をかき込む!!

 

レンチンごはん!! レンチンだけど!! あぁぁああぁあぁぁあああ!!(錯乱)

とにかくうまい! うまい! うまーーーーい!!

もう一回シャケ! 塩辛い! お茶! お茶うまーーーーい!!

 

ああもういいや! 一緒に柿の種も食べちゃえ! うまーーーーーーい!!

ごはんの最中なのに柿の種食べちゃった! 僕悪い子! でもいいの! いや! むしろいいことだ! 悪いことするのはいいことだ!

 

まあ成人した男がカプセルホテルの中で涙浮かべてこんなこと思いながらメシ食ってんの。引くよね

声に出さず思考だけで片付けたのが僕の中の最大限の配慮です。嗚咽はちょっと出てたかも

 

費用対効果最悪だった

 もうここまで読んだら「よし! 俺、青春18きっぷで就職活動するわ!」っていうトンチキアンポンタンは存在しないと思う。

 

ほんと

費用>>>>超えられない壁>>>>ほしぶどう>>効果

 

これくらいの感じだから。僕ほしぶどう嫌いだから

これやるくらいだったら遅延とか乗り換えとか考えなくていい飛行機の方が1万倍の5乗くらいマシ。

 

やっぱアレよ、時間って何よりも大事。

今こうやってクソみてーなモノローグ書いてるこの瞬間も確実に時間は経ってるわけで、確実にDyingという死へ向かう道程を辿ってるわけで、生きている僕らは何を優先すべきかというのがよくわかった旅でした。それだけが救い

 

だからみんな、遠方の大事な用事は飛行機使っとけ!! 次点で新幹線

 

ちなみに、こういう切羽詰まった旅でなくてホント「電車で気ままに」っていう旅ならば青春18きっぷはとてもいい選択肢の一つだと思います。余った日数分の乗車券で気ままに県内周遊したときはとっても楽しかったです。おすすめ

 

あ、ちなみにその時の面接は落ちました

 

 

エンド

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