もくじ
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スペースオペラというジャンル
皆さん歴史は好きですか?
僕は世界史が好きです。世界史ってさ、あんまりダレないじゃん?
日本史だと「あーこの時代平和やなぁ」と教科書でも飛ばされるくらいですが、世界史となると地球規模で歴史を見ていくため、あっちこっちで何かしらの事件が起きています。
んで何の事件が多いかと言うと、やっぱり戦争。
世界大戦規模でなくても、国と国、民族同士の戦争なんて数え切れないほど勃発していて「歴史」とは「戦争の歴史」がメインなんだなぁと思い知らされます。
そういう繋がりで、SF歴史アニメ『銀河英雄伝説』っつーアニメがあるんですが、この作品、名前くらいは聞いたことがある人は多いんじゃあないでしょうか?
歴史アニメと一言で言ってしまいましたが、その中で大きくは2人、細かく見ると幾人にもスポットの当たった所謂「群像劇」的な作品でもあります。
あらすじ・概要
長い時を経て人類はついに宇宙に、そして銀河に進出した。地球というゆりかごを飛び出し様々な星を自身の故郷としたのだ。
宇宙に進出すると、あまりにも広いその庭には秩序の乱れが訪れる。その中にルドルフ・フォン・ゴールデンバウムという英雄が現れ人類全体を統治する「銀河帝国・ゴールデンバウム王朝」を創り上げた。
しかし銀河帝国の初代皇帝たるルドルフが敷いた貴族政・専制君主制は一部の人の反発を招き、のちに「自由惑星同盟」という反勢力を生み出すこととなる。
更に長い時が経ち、銀河帝国と自由惑星同盟との戦争は150年の長きに渡って続いていた。
宇宙の勢力は銀河帝国、自由惑星同盟、中立の立場(半ば帝国側)をとるフェザーン自治領である。
当時帝国の下級貴族であったラインハルト・フォン・ミューゼルは類稀なる美貌を持つ姉が宮内省の役人に見出された事で異例のスピード出世を遂げる(諸説あるが)。
皇帝の後宮の弟という立場と、本人が持つ指揮官・軍人としての才は花開き、ついには帝位すらも我が物とし、自身をラインハルト・フォン・ローエングラムと称し、ローエングラム王朝を創り上げる。
一方で自由惑星同盟で歴史家を目指す中で、貧困のため仕方なく士官学校に通っていたヤン・ウェンリーは軍人・戦術家としても優れておりこちらも最終的には元帥まで上り詰めた。その間に幾度も両陣営で相対する2人であったがヤンの柔軟な戦術によりラインハルト陣営は幾度と無く苦杯を飲まされていた。
ある時ついに2人が直接会見をするという歴史的な場が設けられ、お互いの才を称え合うのだが、戦争の悲しみがそこで終わることはなかった・・・
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ロマンと残酷さを同時に訴えてくる作品
歴史モノの側面を持っているだけにあらすじも簡素には書ききれないし、それこそ文字数が万とかいっちゃいそうなんだけど、第一に何が僕の胸を打ったかって、歴史という淡々と語られる物語の中に、大志を抱いた魅力的な人物がいくつも存在するんですよね。
所謂未来版の「三国志」という感じ。主人公・ヤンが諸葛亮だとすると、もう一人の主人公・ラインハルトは曹操ですかね? 劉備にあたる人がいませんが……
「軍隊なら食いっぱぐれはない」とのたまう所帯じみたヤンに、宇宙全体を見渡すほど大きな野望を抱いたラインハルト。
思えば三国志の諸葛亮も元々は若くして山奥に暮らしていた変わり者だっただけに余計にダブる。
曹操も持ち前のサイコパスっぷりを時折見せつつそのカリスマ性で何人もの有能な部下を配下に迎えてきた様なんて、まさにラインハルト。
物語中後半あたりにその敵対していた二人が相対して自身の持論や政治観、人間観などを語り合うシーンはもうビックビク。
「これラインハルトがブチ切れてヤンを撃ち殺すんちゃうか……?」とびびったファンも多いだろう。
まあそこはラインハルトもヤンの才覚を認めているようで、政治の甘い汁に埋もれた愚鈍な人間とはひと味もふた味も違うリスペクトでヤンを送り出します。(勝ちたいとは思ってるけど)
もちろん戦争モノであるので、人物は容赦なく死にます。
これは衝撃。美しいOPに、爽やかなEDそして美しい登場人物と若干時代が止まったようなロイヤルな武器や装具ですが、一度混戦に陥れば、宇宙船は爆発し、目は飛び出し腸は引きずり出され、アニメの中でもわりとグロい死亡描写が繰り広げられます。
大志を全面に押し出した美しい展開の中にも、そんな暗部があるのは非常に心に訴えてくるものが大きいです。
つーか死にスギィ!!
メインの展開以外も興味深い
帝国が誕生する以前の架空の歴史の細部がつぶさに語られる回などもあるのですが、NHKなどで見る『映像の世紀』のように本当に起こったことのような錯覚を受けます。それだけ練られたストーリーであることが分かりますね。
歴史を扱うぶん、「行き当たりばったり」という展開がないのがすばらしく、その中でも偶然にある人物の行動により大事件が起きるという緩急のあるストーリーは引き込まれました。
こういうバックグラウンドをしっかり固めることで現在の展開に説得力を持たせる手法は面白い。
もっと他の作品もマネすればいいのに。
ガンダムとかドラえもんが実際に開発されるきっかけのドキュメンタリー(現代~)とか作られたらメッチャ見るわ。
どういう風にその時代設定に移り変わったかスゲェ気になるよね。
そんななかなか手の届かない痒い部分を攻めてくれた銀英伝さんパネェ。
このくだりが一番何度も観たと思う。
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敵側に魅力あるキャラが多い
敵側といいつつ、この物語では「どちらが正義か」なんて言及してないのでちょっとアレな表現ですが、メインはヤン側の自由惑星同盟なのでこのような表現に。
実際自由惑星同盟のほうが腐った人間とか、どうしようもないやつは多いんだけどね。
好きなキャラクターはいっぱいいますが帝国側でウォルフガング・ミッターマイヤー、オスカー・フォン・ロイエンタール、ジークフリード・キルヒアイス。 同盟側でワルター・フォン・シェーンコップ、アレックス・キャゼルヌあたりで、帝国側に魅力的な人物が多く、熱い人も多い。
帝国側はドイツ系の名前が多く、とにかく長くて覚えにくいですが、カッコいい。
ドイツ語ってなんでこんなにカッコいいのか。
ちなみにウォルフガング・ミッターマイヤーという名前は、日本人にこそかっこよく聞こえる名前だが、現代のドイツでは「山田太郎」と同じくらい古くてダサい名前らしい。
シワシワネームってやつかね……
この作品、登場人物が中世からタイムスリップしてきたような気品を持っていて、それだけに名言もめっちゃ多いです。
ちなみに僕が好きな名言は
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「泣いて馬謖を斬る」か。ふん、自分が犠牲にならずにすむなら いくらだって嬉し涙が出ようってものでしょうな!・・・ワルター・フォン・シェーンコップ
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女ってやつは、雷が鳴ったり風が荒れたりしたとき、何だって枕に抱きついたりするんだ? だったら俺に抱きつけばよかろうに、どうして枕に抱きつく? 枕が助けてくれると思っているわけか、あれは?・・・オスカー・フォン・ロイエンタール
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正しい判断は、正しい情報と正しい分析の上に初めて成立する。・・・ヤン・ウェンリー
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形式というのは必要かもしれませんが、ばかばかしいことでもありますね。ヤン提督
一部ですが、こんな感じ。多すぎて書ききれんがな……
特にロイエンタールの台詞回しは大好き。「黙れ下衆!」とか言ってみたいわ
また、帝国側で秘書を務めていたフロイライン・マリーンドルフ(ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ)の声優・勝生真沙子さんはこの2年後に世界名作劇場『トラップ一家物語』で主人公フロイライン・マリア(マリア・クッチャラ)を演じています。
顔も声もわりとそのまんまです。面白い
この作品、前述のとおりマジでホイホイ人が死ぬんですが、一番ショックでしかも泣きまくったのがオスカー・フォン・ロイエンタールの死です。
彼はね、色々ありすぎたんだよ……
誰よりも鋭い目を持ち、誰よりも賢い彼は、誰よりも異端であった。
彼の本当の心をほんの少しだけのぞく事ができたのは、同志であるミッターマイヤーだけかもしれない。
宇宙一孤独な男オスカー・フォン・ロイエンタールここに逝く……
もうね、観ながら「ううう……」と嗚咽が出るくらい泣いた。
アニメでも思い入れのあるキャラが死ぬって辛いんだよ!!
とにかく話数が多い
この作品、定期的に「GYAO! | 無料動画 – 定額&見放題動画サービス」で5日間無料配信されてたりするんですが、本編だけで110話あるので期間内に全部見ようとすると一日あたり22話、時間にして日に約11時間見続けないといけません。
アホか!!!
そんなん年末年始か引きこもりじゃねーと無理だろ!!
エンド
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