あなたは『フォレスト・ガンプ/一期一会』という映画を知っていますか? 有名だよね
僕も昔から知ってたけど、最近になって初めて視聴しました。
今更!? って言われるかもしれないけど、そうなんだ。
結論から言うとこの映画に出会えて本当に良かったと思いました。そんだけ傑作
もくじ
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主人公は知能指数が平均より少し低い青年
この主人公・フォレストの悲しくもあり、そして素晴らしくもあるところは「絶妙な知能指数」設定であること。
普通の子より言葉や思考に制限が多いものの「自分が周りとちょっと違うこと」を自覚しているのはいじらしくもあるが、そのせいで「他人に疎まれたり、受け入れられない寂しさ」を一生感じなければいけないというのはとても残酷だ。
しかし彼はそれを受け入れ、歪まず真っ直ぐに育つ。普通の子のように余計なことを考え無駄な対抗心・敵愾心を覚えることもせず、ただ目の前にあるものに一所懸命に取り組む。
彼の一心不乱に取り組む行動は彼の眠った才能を呼び覚まし、目覚しい結果を生み出す。
それが人を惹きつけ、紆余曲折ありながらもかけがえのない生涯の友人を手に入れることができた。
彼だって全てがパーフェクトな人間ではない。日常生活はドン臭いし、対人関係も上手とは言いがたい。
それでも彼が数々のことで成功したのは、それは彼がそのことが「好き」だからじゃないだろうか。
好きだから一心不乱にやる。興味があるからとことんやる。
努力を苦痛だとも思ってない。
こんなに素晴らしいことが他にあるだろうか?
僕らは「努力を苦とも思わない」だとか「モチベーションを保つ方法」だとか色々な聞き伝えやネットのライフハックなんかを読み漁り、やっとこさ何か形になったような「何となくの結果」を手に入れる。
一方でフォレストはそんなことは考えず、ただ教わったことを極限まで「素直に」やっただけ。
たったそれだけでさっきまでは「普通の子」と言っていた自分より知能指数の高い人間たちより偉大な結果を残していた。
「バカ」って何だろう? 「頭が悪い」って何だろう? 「ドン臭い」って? 「劣ってる」って?
そんな当たり前のように自己評価してきた結果が、この映画によって揺らいでしまった。
これだけでも「もしかして自分にもまだ素晴らしい才能が」だとか「これから生涯を通して大切にすべき友人が」なんていう前向きな気持ちが飛び出してくるとても良い映画だと思う。
人間は一人ではとても弱い
フォレストの才能を見出してきたのはいつも自分自身ではなかった。
それは軍の教官であり、たまたま近くにいた傷病兵であり上司であり、とにかく色々な人たち。
彼はそれらの人が言うことを、自分の好奇心に従って素直にやってみただけなのだ。
できもしないことを辛い思いをしてやったわけでも、やりたくないことを強いられてやっていたわけでもない。
能力の開花の根底には「好き」「やりたい」という素直な気持ちが大きな動力源になっている。
過去の記事でも「人との繋がり」の大切さはよく取り上げてたけど、この映画を観ると心からそう思う。
フォレストの才能を育てたのは他人であり、その他人を引き合わせたのは、誰でもないフォレスト自身である。
彼は他人を、他人は彼を支えて偉業を達成し、目の当たりにしている。人の助けって本当に大事。
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やっぱ俳優ってスゲェ
トム・ハンクスの演技、とにかく「っぽさ」が出ていてとても好き。とても細かく研究したんだと思う。
観ている間は「役者ってスゲェなー」というより、「いじらしさ」しかなかった。
スクリーンに存在しているのは僕にとって「トム・ハンクス演じるフォレスト・ガンプ」じゃなくて、フォレスト・ガンプそのものだった。
表情一つ、歩き方一つにしても、何か「作りこんでるなー」じゃなくて、当たり前。
当たり前に存在する人物として完成されていた。
そして現実に戻って思う
「トム・ハンクスってスゲェ俳優だな」と。
彼も、主人公フォレストと同じ気質を持っているのかな? とも思える。
ダン中尉役の人も、バッバ役の人もそう。
みんなが役者としてではなく、その人物として生きていた。
これが日本人ではなかなかできない。
といっても、日本人が決して劣ってるのではなく、自国の映画やドラマを見ると、どうしても「あ、堺雅人は今回この役なんだ」「この役にキムタク使うんだ! へぇ~」とかどこか所帯じみた印象を抱いてしまう。
これは同じ日本人だから仕方ないと思うんだけど、役者って自分の性格や素行なんかを人に知られるとやりにくくなるもんだなーと思った。
そういう意味では、外国人俳優は日本というフィールドでは有利だなーと。逆も然り
字幕で見るか、吹き替えで見るか……?
これは字幕と吹き替え両方見たから思うんだけど、日本人は絶対、ぜーーーーったい吹き替えで見たほうが良いです。
これ系の話は過去記事でも話してるんだけど、声優陣の声当てがめっちゃ合ってるからです。
特に主人公・フォレスト役の江原正士さんは、長年トム・ハンクスの専属として吹き替えをやってますが、今回のフォレスト役が一番心に響きました。
まあ、題材が題材なモンで人の心に突き刺さりやすいシーンも多いのですが、それでもトム・ハンクスに負けないくらい「いじらしさ」を醸し出してくれます。
字幕版も観たんだけど、なんと言うか、他国の言語だとそれほど知能の違いを感じられないんだよな。
単語数は圧倒的に少ないかもだけど、日本人の海外留学生が話す英語よりよっぽど流暢に聞こえちゃうし。
そんなわけで物語の雰囲気を直感的に受け入れるには吹き替えがおすすめ
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好きなシーン
全体的に雰囲気も僕好みで大好きなんですが、その中でもさらに好きなシーンを選んでみました。
バッバとフォレストの出会い
ちょっと「足りない子」というだけで周りから邪魔者扱いされてきたフォレストを何の隔たりもなく受け入れた彼。思えば彼も少しフォレストに近い人間だったのでしょうか。
結果彼らは親友となり、将来の志を共にします。
戦場でバッバを探しに行くシーン
ベトナムで敵からの攻撃を受け、散り散りになって負傷した仲間たちを担ぎ上げ、安全地帯まで運び込むフォレスト。
しかし親友のバッバは一向に見つからず、ダン中尉からも「もう行くな」と止められても止めないフォレスト。
その時ジャングルに走り出しながら発した台詞「バッバを探さなきゃいけないんです!(吹き替え)」はとても心に突き刺さりました。
声優の江原さんが非常にマッチした演技をしているおかげでフォレストの声をそのまま聞いているかのようなシーンでした。
ジェニーが自分の姿に絶望するシーン
最初は毒親の抑圧を受けながらも、健気に生きる神秘的な魅力を持った少女・ジェニー。
しかし親から引き離され成長するにつれ、少しずつ社会の汚さを受け入れ自分もその流れに身を任せる。
それは男でありドラッグでありロックであり……当時の「不良文化」がもたらした社会の燃えカスのようになったジェニーはまともな自我が保てなくなります。
一方で自分の才能を磨き、多くの人から称えられるフォレスト。
この二人の対照的な描写が非常に面白いです。
虐げられる人生を歩むかと思われたフォレストと、聡明な少女の人生はどこで交差し、逆転してしまったのか?
ベランダから身を投げようとするジェニーのバックで流れているレイナード・スキナードの『Free Bird』という曲も印象的で、イギリス映画『キングスマン』の教会で無双するシーンでも同じ曲が使われてます。
フォレストガンプ.jrとの出会い
こんな純粋無垢なフォレスト青年でも、やることはやっていた!!
まあここには諸事情あり、後に自分の息子に会うんですがその時の台詞「あ、頭はいいのかな……?」という自分の状況を知った上での心配する姿はハンデのある彼なりの最大限の気遣いなんでしょう。
人生に迷ったり、疲れたときに観てください
もともと有名だったり、流行っている物に対して表立って批判はしないけど、どこか心の底で避けている自分を見つけて「あぁ……これは人生損してますわ」と思わせるほどの良作でした。
2ちゃんねるなんかでは「過大評価されている映画」というスレなんかでチョコチョコ挙がりますが、決してそんなことはないよ!!
自分の欠点に劣等感を覚えながらも、自分のやるべきこと、したいことをとことんやってみる彼の姿勢、そして出会う人々を大切にし、一生の友足りえる人間を見つける姿勢はいつの時代でも見習いたい「人生の教科書」のようなものだと思う。
もちろん現実には映画で端折られている「日々の葛藤」が存在してその中でモチベーションを失ったりだとか、溜まっていくストレスなんかもあったり、それとは逆に何もない、目的意識の薄れそうな日だってあるだろう。
そういう時はどうするかというと、この映画を観て、自分に「出会いと人生の素晴らしさ」を言い聞かせる。
決して押し付けがましい視聴でなく、流し見る程度で良いのだ。(もう何回も観てるし)
映画を楽しみながら、自分の人生を前向きに見直せるって最高じゃね!?
……と一心不乱に文字を打ちながら思うのであった
エンド
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