国内外のヒグマ事件とその能力を紹介!襲われて生き延びる方法は?

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 ここ数年、人間がクマに襲われる事件が大々的に報じられている。

クマによる被害は大きいものを熊害(ゆうがい)事件と言われていて、その筆頭に上げられるのが「ヒグマ」による被害。その一方で、最近報道されるクマ被害は「ツキノワグマ」による襲撃という、ヒグマよりはだいぶ大人しい種類だ。それでも人間からすると脅威でしかなく、人間は大自然の前ではいかに無力かということを思い知らされる。

でも僕も男の子。強いものに対する興味は否定できない。ライオンは強い。カバは強い。アフリカゾウはもっと強い。

その力で人間を幾度となく屠ってきた自然のファイターたちがそこにはいる。というわけで今回は、日本で最強の猛獣・ヒグマの国内外での熊害事件を追ってみようと思う。

もくじ

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ヒグマの能力

 ヒグマの能力は僕たちが思っている以上に強大だ。

可愛らしいクマのぬいぐるみやアニメキャラを想像していると痛い目だけでは済まない危険性を孕んでいる。以下にその驚くべき能力を列挙する。

  • 巨大な体:体長約2.0~2.5m, 体重100~250kg
  • 鋭い爪:石油缶を潰し軽く穴を開けるほど。ドラム缶でも大きく変形させることができる。木登りも得意なのでヒグマを見て木に登って逃げるというのは愚策だ
  • 強力な噛む力:トラより大きな歯・そして口。人間の骨を簡単に噛み砕く。ヒグマの亜種であるグリズリー(ハイイログマ)はボウリングの玉さえ噛み砕く
  • 鋭い嗅覚:犬の数倍優れている。餌を含む生ゴミなどのにおいは数キロ先からでも感知し探しあてることができる。行動の大部分を嗅覚に頼っているため、においの強い食品などを携行して生息域に入るのは危険
  • 腕力:張り手で人間の首が簡単に吹き飛ぶ。成獣ならば手の大きさだけでも人間の顔以上の大きさである

    走力:平地を時速40~60km/hで走る。執着したものは長距離でも追い続ける

    防御力:硬質で丈夫な毛に覆われており、人間の力では打撃や刃物などが効かない。銃弾も急所でなければ一発で仕留めることはできず、弾の当たる角度によっては頭蓋骨で弾いてしまう場合も

  • 性格:好奇心・執着心が異様に強く、一度興味を持った対象には執拗な追跡・攻撃を行う。一度クマが興味を持ったものを所持したままでいるのは危険。反面、臆病な性格でもあるので激しい動きなどで刺激されると、攻撃されたと勘違いし襲いかかってくる
  • 知能:一般的な犬以上の知能を有しており、学習することにより行動パターンは多岐にわたる。ハンターなどの攻撃を受けたクマが身を隠して大回りし、ハンターの背後に回り込むといった戦術も使い、人間の脆さを知ったら人間ばかりを襲うようになる。野生動物は一般に火を恐れるが、犠牲者の中には火を一生懸命焚いていたにもかかわらず、ヒグマは臆することなく前進し、襲われた者もいる

ここまで見ればご理解いただけるだろう。人間は逆立ちしてもヒグマには勝てない!!

日本でも幾度かクマに襲われ、それを撃退したという話は聞くが、それはあくまで襲ったクマが「あ、ちょっと、やめてくださいよ!」みたいにタジタジだっただけだ。「オルァアァァ!! マジでブチ切れたぞクルァアァ!!」みたいになっちゃったらもう無理。比喩じゃなく文字通りズタズタにされて骸と化す。

こんな動物に北海道の山中で出会うなんて考えたくも無い……けどこれでも日本最強というだけで、世界にはもっと強い生き物がいるというのがさらに恐ろしい話。ボスケテ

ヒグマとホッキョクグマの雑種がいる!!

 あの地上最強の肉食獣の呼び声高いホッキョクグマですが、アラスカやカナダなどではヒグマと生息圏が重なる上、遺伝子的にも近縁であるため繁殖可能。

この種の目撃例は多くなく、謎に包まれていますが、ホッキョクグマの体躯とヒグマの分厚い脂肪と鋭い爪を持った更に戦闘に特化した身体である模様。元々雑種って純血種より強いって言うからね。サイヤ人かよ

大きさもライオンとトラの雑種であるライガーやタイゴンが純血種より大型になっていることを見ると、本種も更に大型化が予想されます。ちなみにホッキョクグマは身長2.5~3m、体重は300~800kgで最大記録は1000kg。

ヒグマの最大亜種であるコディアックヒグマもホッキョクグマに匹敵する体躯を誇るということで、彼らが出会えば間違いなく地上最強最大の肉食獣が生まれることでしょう。

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国内での事件

三毛別罷事件(さんけべつひぐまじけん)

 国内最大の熊害事件として名高いこの事件、ネットでも話題になりテレビでも幾度と無く特集されてますね。この事件は1915年(大正4年)12月頃の冬、北海道は苫前郡苫前村三毛別(当時の地名)でエゾヒグマが民家を襲い、実に7名の命が失われました(後遺症で亡くなった方も含めると8名)。

その内容は凄惨そのもので、開拓当時の簡素な家や装備ではヒグマに立ち向かうことなど全く無理な話。

「家」といっても現代の住宅のようにコンクリートや木造ではなく藁ぶきのテントのようなもの。また、この頃使われていた狩猟用の「村田銃」は火縄銃より性能は上がっているものの、現代のライフル銃などと比べるまでもない低スペック。仮に銃なんかを携帯できたとしても、素人に簡単に扱えるものではなく不発も多かった。

現代の非常に性能の高い銃を携帯しても、実際クマに会えば食い殺される事件が起こっていることから、当時の開拓民がどれだけ過酷な環境に置かれているのかは想像に難くないだろう。次の弾を込める間にクマは待ってくれたりなんかしないのだから

この話で一番恐ろしいのは、クマはライオンなどの肉食獣のように獲物の喉に噛み付いて息の根を止めた後食べるのではなく、生きたまま体を食べ始めること。

ということはだよ! 痛みも! 苦痛も! リアルタイムで味わいながら貪り食われる!

事件のあとで発見された現場も地獄絵図だけど、被害者の苦痛はその凄惨さを上回る壮絶さ。

石狩沼田幌新事件

 国内2番目の熊害事件は三毛別の約8年後、1923年(大正12年)8月下旬頃に発生します。こちらも4名が亡くなりました(容態が悪化し亡くなったた方も含めると5名)。

この事件も三毛別と同じく凄惨な事件であり、クマの腕力により一撃で亡くなった方もいる。その犠牲者の中にはマタギ(クマ狩りを行う人)も含まれており、銃の扱いに慣れた人間でさえ立ち向かうことが困難だと言うことが伺える。

クマの噛みつく力が強いのは最初に触れたスペックで分かると思うけど……腕力だぜ!? 爪や牙とか、いわゆる「尖った部分」を野生動物が使うというのは単純に相手を殺傷するのに長けているからだと理解できる。ライオンだって、獲物に飛びついてその鋭い爪を食い込ませ、喉笛にかみついて息の根を止める。

だけど今回の事件は違う。人が撲殺されてるんだぜ? クマのパンチで

直接的な打撃で攻撃するのって人間含むゴリラや一部の霊長類だけだと思ってる人も多いけど、クマも打撃を攻撃の手段として使う。しかも、威力は人間の比じゃない。マイク・タイソンのパンチ力とか、朝青竜のぶちかましとか、そんなレベルじゃない。

襲ってきたクマは体長2m、体重200kg。人間にも決して存在しない体格ではないが、こいつらは筋肉の密度とタフネスのレベルがちがう。何の技術もない普通に育ってきた人間が、一撃で人を屠るなんてことはできない。でもこいつらは、やってのける。

……ということはだ。僕と同じ172cmで55kgのクマが現れたとしたら絶対勝てないだろう。それだけ恵まれた肉体を持った生き物だということだ。

福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件

 かなり現代に近づいてもヒグマの被害は続いていて、中でも有名なのが1970年(昭和45年)7月下旬に日高山脈のカムイエクウチカウシ山で発生したこの事件。

この事件では大学生3名が亡くなりました。今回一際目立ったのはヒグマの執着心で、一度パーティから奪った荷物に対してどこまでも諦めず追い続けてきたため、ついに3人がクマに捕まってしまい若い命を失うこととなりました。一説としては、クマに奪われた荷物をそのまま捨てていたり、避難途中に会った別のパーティと下山していれば犠牲者は出なかったかもしれないとあるが、真相は分からないまま。

恐ろしいほどのクマの「執着心」。どこまでも獲物を追い求めるその行動力はひたすら驚かされるばかり

サバンナなんかの映像を見てるとライオンがガゼルを逃してしまったあとは「しゃーない、切り替えていこう」と言わんばかりに結構あっさりあきらめる。

でもクマはそんなことしない。ひたすら追い続ける。もはやターミネーター

しかも調査(解剖)結果では、事件後仕留められたクマの胃の中に人間の組織が見つからず、捕食目的ではなくただじゃれていただけみたいという話。じゃれてるだけで人3人殺す威力って何なんだよ……しかも今回襲ったクマはメスであり、オスよりも小さく非力であるにもかかわらず、このような事件に発展している。メスのクマでも成人男性を十分に殺すことができるという証明である。

秋田八幡平クマ牧場ヒグマ事件

 なんと今回の事件はついこの間、2012年(平成24年)4月20日の話だ! 冬季閉園中だったクマ牧場の飼育場を6頭のクマが脱走した事件。

この事件で75歳と69歳の女性飼育員2名がヒグマに襲われ死亡。クマが逃げ出した経緯は、降雪による地面の上昇で、4.5メートルある高さの堀を上ることが可能になったため。また、当時から園の経営状況は芳しくなく、餌が不足していたためクマたちは腹を空かせた状態であったという

衝撃。もうそれ以外言えません。それほど昔でもなく、山でもなく、人間の文明の中でクマに襲われる機会があるなんて。しかしこれは人災も含まれており、園側も降雪を見越して何か対策を打つべきだったと思います。

腹を空かせたクマ……こんなもん、100%人を襲うやんけ……

写真見ましたが、自然界のクマよりそれはもうゲッソリした状態でした。

そして襲ったクマおよび脱走した個体6頭はすべて射殺。残ったクマも当初は共食いなどさせて個体を減らし、秋には閉園させる予定だったようだが、今回の事件で6月に早まったとのこと。

ここまで行くと、人間のエゴにも戦慄する。クマから見たら共食いの後最後には餓死なんて生き地獄。幸い日本熊森協会や地球生物会議ALIVEなどからの援助があり、クマたちは生き延びることができた。

この事件では牧場の経営者、除雪を担当していた従業員がオリなどの安全管理を怠ったとして、業務上過失致死容疑で逮捕されている。経営難と大雪は気の毒だが、危険な生き物を飼育しているという意識は失ってはいけない。

海外での事件

星野道夫氏ヒグマ襲撃事件

 海外のヒグマ事件ですが被害者は日本人・星野道夫氏。1996年(平成8年)8月8日、テレビ「どうぶつ奇想天外」の撮影でロシアのカムチャツカ半島に滞在していた同氏だが、テントで野営中のところをヒグマに襲われ命を落とす。当時彼はテントに一人だったという。

星野氏の持ち込み企画である「ヒグマと鮭」を題材とした写真を撮影するため、テレビ局スタッフと同氏はロシアのカムチャツカ半島南部のクリル湖畔に滞在していた。周辺には安全な小屋や「鮭観察タワー」と呼ばれる宿泊施設があったが、同氏は敢えて湖畔のほとりにテントを設置する。大事なシャッターチャンスを逃すまいという思いからだろうか。

「この時期は、サケが川を上って食べ物が豊富だからヒグマは襲ってこない」という同氏の判断により単身野営は続けられたが、2日後の夜に宿泊所の食糧庫をヒグマが襲撃した。体調2mを超え、体重も250kgほどと思われる額に赤い傷を持つ雄クマがその犯人。どうやらこの年はサケの遡上が普段より遅れており、クマたちに十分な餌が行き渡っていなかったのも襲撃の一因だろう。また、この赤い傷を持つ個体は既に人間に餌付けされていたため、人に対する警戒心もそれほどなかったと思われる。

それから2週間が経過した早朝の4時ごろ、ついに同氏の悲鳴とヒグマの唸り声で関係者は異変に気付く。一同がその場に急行したときにはすでにヒグマは彼を咥えて森の方へ行っており、捜索隊が到着した頃には無残にも食い荒らされた遺体となって発見された。この犯人も例の赤い傷を持つ個体。

事件が起こる前にこの地を訪れた当初から頻繁にヒグマの接近があったことから、この件は今でも「避けられた事故ではないのか」と言われている。テレビ企画内で起こった事故……普段テレビ番組を安心して見ている僕らとしては、裏でこんな凄惨な事件が起こっているなんて夢にも思いません。しかも危険と分かっているヒグマの取材。当然襲われることのない万全の装備で臨んだろうと思っている僕が甘いんでしょうか。

自然界の神秘を記録するためには、人間の持っている文明の利器を持ちこむことなど自然への冒涜とでも言わんばかりの質素な装備。テント一つであの場所に泊まった星野氏は何を思っていたのだろうか?

この話はテレビ局が作成した「遭難報告書」に基づく内容となっているが、現地に同行していたアメリカ人写真家やガイドの証言とは、いくつか食い違いもあるとのこと。しかし本人が亡くなってる今、それが本当なのか調べる手立てはなく、真相は闇の中……

経緯はどうあれ自然の動物に対して餌付けを行ってしまったこと、そして自然界での餌が不足していたという偶然が重なっての不幸な事故。ヒグマはペット感覚で気軽に餌を与えられるような動物ではなかった。

グリズリーマン事件

 アラスカにてグリズリー(ハイイログマ・ヒグマの亜種)の保護活動を行っていたティモシー・トレッドウェル氏が襲われた事件。2003年(平成15年)10月5日、カトマイ国立公園でガールフレンドと共にグリズリーに襲われ死亡した。クマに襲われている間、撮影に使用していたビデオは回り続けており、音声が鮮明に残されている(レンズキャップがついていた)。関係者が音声を確認したところ遺族には「聞かない方が良い」と説明したとのこと。

彼は自然保護に関して熱心な活動家であり、12年もの間グリズリーを守ってきた。最後はその守るべきグリズリーに襲われるという皮肉な結末を迎えたが、彼が残した生前の活動を多く残しており、それを元にドキュメンタリー映画も制作された。

ティモシー・トレッドウェルはグリズリーと触れあう前は俳優志望の若者だった。夢が叶わず酒に溺れる日々が続いたが、グリズリーと出会ってからはアルコール依存症を克服し、一切飲酒することはなくなった。一方でグリズリーに対する依存心は日々膨らんでゆき、最終的には野生動物と人間の「超えてはいけない垣根」を侵してしまったのではないかとも言われている。

そのためトレッドウェルを「グリズリーを守っていると勘違いした愚かな男」と批判する人間も少なくない。本人にとっては愛に満ちあふれた行動も、生物学者やナチュラリストにとっては不自然で危険な行為でしかなかった。

トレッドウェルはこういう未来を全く予想していなかったのだろうか?

12年もグリズリーを観察していれば、彼らの気性や危険さも十分に分かっていたはず。僕は「いつか自分はクマに襲われて死ぬ」と悟っていたように思えてならない。歪んでいるかもしれませんが、そういうリスクも承知で彼はグリズリーを愛していたんでしょう。

しかし最後はその自分を襲ったグリズリーが射殺されるという皮肉。愛だけでは自然を守ることはできない……

自然界の厳しさを否応なく見せつけてくれたこの事件。どんなに可愛かろうと、どんなに信頼していようと相手は違う種族。完全に分かり合えることもなければ、すべてを許すことなど到底かなわない。同じ人間でも無理なのに

だからこそ、僕らは自然界に対する畏怖の念を忘れることはないし、その立場をしっかりと覚えておかなければならない。人間ってホント弱い

ペトロパブロフスク羆事件

 2011年(平成23年)8月13日、シベリア東部のカムチャッカ半島ペトロパブロフスクで起こったヒグマ襲撃事件。結果2名の死者が出るという痛ましい出来事だ。

この地にキャンプ旅行に来ていたオルガ・モスカヨワ氏とその継父イゴール・チガネンコフ氏は昼ごろに茂みの中から出てきたヒグマに遭遇。

最初はイゴールが襲われた。彼は一撃で首の骨を折られ、その後頭骨を割られ死亡したところをクマに食われた。それを目撃したオルガは逃げようと試みるのだが、クマのスピードは想像以上に速く、足を負傷。そのまま彼女もヒグマの餌食になってしまう。オルガはヒグマに食べられている間、母に電話をし助けを求めていた。「クマが私を食べている! 痛い! 助けて!」というオルガの懇願を母は最初いたずらだと思ったという。

オルガの母が異変に気付き、夫イゴールの携帯にも掛けてみたが彼はすでに絶命していた。母が2度目の電話を受信したときはオルガの周りに3頭の子グマがおり、それらも彼女を食害していた。3度目の電話ではもうオルガは虫の息で「愛している」という言葉と共に、それが最後の会話となった……

二人を襲ったヒグマとその子供は射殺されたが、彼らの笑顔は二度と戻ってこない。

動物目線で見ると食物連鎖の1シーンでしかないのだが、やはり対象は人間となると衝撃度も比べ物にならない。

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もしクマに会ったらどうすればいい?

 山でクマに会うことは、海でサメに会うことに似ていて、どちらも圧倒的に相手のフィールド能力のほうが上である。

だからと言って見た瞬間諦めると言うのはあんまりな話です。あきらめたらそこで試合終了ですよ? もう後がないなら背水の陣でもなんでもいいからあがきましょう。万に一つの確率かもしれないけど助かるかもしれないじゃない!!

では、ここでは助かった方の意見も参考にして、どう対応するかを見てみましょう。

相手の目を見ながらゆっくりと後ずさりする

 クマの方も初見は人間を恐れるという。確かに二足歩行の嗅ぎ慣れない臭いのする不気味な生き物だからね。

出会った時点では相手も様子見と言うわけです。出来れば戦うリスクなど負いたくないというのが本能ですから刺激しないようにゆっくり後ずさりしましょう。

怖いけど、相手の目をしっかり見て……ゆっくりと……自然界でも目をそらす行為は「負けました」っていう合図になる。ヤンキーみたいだ

負けないで! もう少し! 最後まで後ずさり! クマが体をヒョイと翻したらもう大丈夫なはず。勝った! 君ガンの飛ばしあいに勝ったよ!

一方で目を見続けるという行為は敵意の現れでもある。ゴリラなんかは目が合うと襲いかかってくるため、目をそらした方が良いという。

ではどんな時、どちらが一番有効なのか?

興奮したクマはいつ襲ってきてもおかしくない状態であるため、この場合は状況把握のためにもクマから目を離さない方が良い。反対に冷静、もしくは相手との距離がある程度確保できる状態ならばじっと見るのは避け、無関心なふりをして距離を開けるのが良いだろう。基本的にクマは臆病なので自分を認識していると思わせなければ向こうからこっそり身を隠すのだ。だからと言って完全に目を離すのはクマの動向がつかめなくなるためあくまでチラ見で。

一番いけないのは一目散に走って逃げることで、クマもパニックになって追いかけてくるそう。犬なんかも逃げると追いかけてくるよね。ホントその習性やめてほしいわ

自分を大きく見せる

 クマとかなり近距離の場合は、向こうも戦闘体勢に入ってしまう場合があります。

そんな時、お花見などで使うブルーシート(大型)をクマの前でバッと広げるとクマが恐れて逃げていくのを以前テレビで見たことがあります。シートをバサッと広げた瞬間、クマがビクッとして逃げて行くの。やっぱ急にデカイ物が出てくるって怖いよね。

ただし実験体が飼育下のクマであったので野生のクマに効くかどうかは未知数。人間を知ったクマは、恐れず人間を積極的に襲うらしいのでそういう観点から考察すると、人間を見慣れた飼育下のクマでも怖がるので効果は期待できる。

その反面、クマってトラックやバスにアタックかけてくることもあるじゃない?

人間とブルーシートを「別々のもの」と見分けられるやつがいたら、「こいつはでかいけど、後ろのやつはちっちゃいな。せや、回り込んで後ろのやつ襲ったろ!」というロジックに至る可能性もある。クマの知能はそれほど高いのだ。

ただ、一瞬でも相手の意識をそらすことだけでも出来れば活路は開けてくるので、近接した状態で後ずさりの間もなく襲ってきそうならば試す価値は大いにある。

クマよけスプレーを使う

 通り魔などから身を守るトウガラシスプレーの強化版。通常であれば2~3mの射程ですが、凄いものだと10mほどの射程を誇るスプレーもある。瞬時にクマの嗅覚を麻痺させ、戦意を喪失させるのでこれが一番確実。

今のところ一番有力なのがこれだと思う。やっぱり科学の力ってすごい

人間はどうあってもクマには勝てないんですよ。でもね、僕らには優秀な「頭」があるじゃない。クマにぶん殴られたら吹っ飛んじゃうくらい弱いその頭でも、クマを余裕で倒すくらいの武器を作ることもできる。このスプレーの効果はクマを殺傷するほどでもないので精神衛生上良いですね。襲われたとはいえど、やっぱり殺してしまうのは後味が悪いもん……

それでももし噛み付かれたら?

 こうなったらもう戦うしかありません。恐怖におびえて丸まっていても食べられるのを待つだけです。徒手格闘だ!!

クマの鼻、目などをひたすら攻撃しましょう。目突きなどはどんな動物にとっても急所なので効果的です。目に入るクマの穴という穴をとにかく突きまくろう!! それで腕が犠牲になっても頭蓋骨バリバリ噛み砕かれるよりは何億倍もマシだ!!

って言うんで生き残った方の中にはクマの口に拳を突っ込んだ猛者もいたようです。喉の奥まで手が入ると窒息して噛むことができないのだとか。

ただ僕は、例え自然保護区であろうとも襲われたら銃を使用してもいいと思うんですよね。生き物の本分は「生きる」ことが目的なんで、相手が絶滅危惧種であっても自分の命を投げ出してまで護る気にはなれません。言うなれば、これこそ弱肉強食であり、正しい自然の姿じゃないでしょうか?

人間は「頭」を使ってその世界を制したんです。

まとめ

 クマのスペック・事件・応戦方法など色々並べてみましたが何と言っても会わないのが一番です。また、人に慣れたクマ、人の味を覚えたクマの場合、応戦方法や対策として上げられた項目は簡単に覆ります。なぜなら知能が高いから!!

知能が高い生き物というのは個体差が激しく、こちらが思っているほど単純な動きはしません。最たる例が我々人間で、穏やかな人もいれば目が合っただけで怒って詰めよってくる人もいますよね。なので本当の意味での対策は、そのクマ個別の性格を把握した上でやるのが一番です。野生に対してそこまでは無理ですが、もし会ってしまったら少しでも機微を察知できるように冷静に対処しましょう。パニックが一番ダメ

ヒグマの能力は恐ろしいものですが、クマはクマの住み処があり人は人の住み処があるわけです。完全にというのは難しいですが、なるべくは向こうの領分を侵すような行為は避けたいもんですね。

エンド

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2件のコメント

ヒグマの事を調べていて辿り着きました!
面白かったです!
他の記事も拝見させていただきます☺︎

>T子 さん
コメントありがとうございます!
ヒグマって何でこんなに興味そそられるんでしょうね!?
読んでいただいて嬉しいです!

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