
自分の妻や彼女が突然病気になったときってめちゃくちゃ焦りますよね。
なんつーか、ここでどんな行動をとるかでパートナーとしての自分の資質を試されてる感じ。緊張するわ
そう、病気にかかる側が一番大変なのは分かっていますが、それを見守る側もそれなりに精神をすり減らしているのです。
そもそも「共に病気を乗り越える」というのが思った以上に難しく、パートナーを気遣う心や、心配する気持ちなんかがあったとしても、相手は病人で気持ちに余裕もなくなってしまい、その結果かえって溝を深めてしまう……なんてことはよくあります。
今回、僕の妻が虫垂炎になったことで色々考えさせられる機会があったので、同じようにパートナーが虫垂炎になってしまった時、何をしたらいいか分からない人たちのために妻と僕の体験談も交えてどうすべきかを語ります。
もくじ
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虫垂炎ってどんな病気?
虫垂炎という病気は皆さん一度や二度は聞いたことがあると思います。
かつて「盲腸」や「盲腸炎」と言われていたもので、当時は虫垂の炎症が進行してからしか発見されなかったため、炎症を起こした虫垂が盲腸に張りついて、盲腸自身が炎症を起こしているように見えたために盲腸炎と呼ばれていました。
虫垂炎の主な原因は虫垂で細菌が増殖して炎症を起こしたこととされていますが、「こうすれば必ず発症する」というような明らかな原因はまだ分かっていません。
症状は一般的に右の下腹部が痛むとされていますが、経過としてはまず胃のあたりから始まり、徐々に下腹部に痛みが移動することが多いです。
虫垂炎の手術には腹腔鏡手術と開腹手術の二通りあり、腹腔鏡手術は開腹に比べて傷が小さく目立たないため、痛みが少ないので4~5日ほどで退院可能。
一方で開腹手術は腹腔鏡手術に比べて切る範囲が大きいため傷の痛みが強く、腹腔鏡手術より退院が延びる傾向にあります。
一般的に術後の予後は良く、腹膜炎を併発する等の合併症がなければ死亡リスクは低いとされています。
パートナーが虫垂炎になったとき、あなたができること
虫垂炎になったパートナーに対してあなたがしてあげられることは、悲しいことに驚くほど少ないです。
なぜなら、虫垂炎等の痛みがメインになる疾患は患者自身の苦痛との闘いであるため、僕たちでは痛みを和らげてあげたり、あれこれと世話を焼いたりもままならないから。
むしろ、痛みの絶頂期は「あれやってほしい」「これ持ってきて」のやり取りすら億劫になります。
それを踏まえた上で、あなたがパートナーにしてあげられることは
- とにかくそばにいる
- 入院生活に必要な物資を淡々と用意する
- 必要以上に話しかけない
この3つです。少なっ!! ヴォエ!!
これだけでは伝わりづらいかもしれないので、一つずつ具体的に見ていきましょう。
とにかくそばにいる
一人暮らしなどで風邪を引いてしまった方はものすごく分かるかと思いますが、一人ぼっちで身体の不調を迎えてしまうとものすごく寂しいです。
ただの風邪ですら、その時のストレス具合によっては「このまま死んじゃうかも……」とか思っちゃいます。マジで
それが虫垂炎だとさらにブーストがかかります。
寝ても覚めても治まることのない腹部の痛みがキリキリとずっと続く状況……想像してみてください。ヤバイ
僕の妻は痛みを抱えている間、ずっとシクシク泣いてました。
痛みによる涙もあると思いますが、一番は「いつこの痛みが治まってくれるのかな? 明日もずっと痛いのかな?」という不安でしょう。
そんな不安も、誰かそばにいればいくらか和らいでくれるので、仕事などののっぴきならない理由以外はできるだけそばにいてあげましょう。
できれば虫垂炎が発症してしまった初日くらいは仕事を休んででもそばにいるべきです。この時期をないがしろにした代償は高くつくで
また、パートナーであるあなたは精神面だけでなく手続き面でも病院からの様々な要請が入りますのでそれに対応しなくてはいけません。
入院に関する病院からの説明、入院代の支払期限、手術の日程等、痛みで動けない相手の代わりに署名をしたり、誓約書を交わしたりしなければいけません。
まだ結婚をしていない彼氏彼女の関係であっても、親族の方への連絡役になったり、病院からの簡単な連絡事項の取次ぎは積極的にやっておくべき。
遠くの親戚より近くの他人という諺もある通り、今この瞬間一番頼れるのは誰でもないあなたなんです。
入院生活に必要な物資を淡々と用意する
健康体であるあなたがパートナーに一番貢献できるのはこれ。
虫垂炎を発症してしまうと、歩行はおろか横になっていることさえ辛い状態なので、「あー、家に着替え取りに行かなきゃ」なんて出来るわけありません。
入院が決まったら必要と思われるものをとにかく揃えましょう。
最低限、
- 入院期間中の着替え
- 洗面用具(歯ブラシ・コップ・洗顔料)
- タオル
- スリッパ
- 箸、フォーク
これらのものはすぐに用意してパートナーの元に届けてあげましょう。
必要な物資を素早く用意すれば、パートナーは余計な心配をしなくて済むので精神衛生上とても重要なミッションです。
必要以上に話しかけない
最初に挙げた「とにかくそばにいる」ということと矛盾していると思う人もいるかもしれませんが、結構大事なことです。
僕自身も足を骨折して辛い思いをしたのですが、激しい痛みを伴っている時に周囲が騒がしいのってめちゃくちゃストレスになるんです。
周囲の人たちは善意で「大丈夫!?」「心配しないで! すぐ良くなるよ!」と温かい言葉をかけてくれるのですが、患者の中では「心配してくれてるんだから、それに応えないと……」という気持ちと、「痛いマジで痛いもう他のこととか考えられんわ」という本能が葛藤しています。
この葛藤が思った以上に患者を消耗させてしまうため、なるべく余計な言葉は投げかけずに静かに見守りましょう。
とはいうものの、痛みで苦しんでいる自分を冷ややかな目で見られるのも心に来るものがあるので、心の中で「大丈夫だよ」「困ったことがあったらいつでも言ってね」という余裕を持ってそばにいてあげましょう。
無駄なアクションだとか、面倒なことだと思うかもしれませんが、病気で苦しんで弱っている人からすると、そんな気遣いが一番嬉しく、安心できるものです。
虫垂炎の入院生活で持っていって捗るもの
入院に最低限必要なものは病院側が提示してくれるので、とりあえずそれらを揃えておけば問題はありません。
しかし、入院生活は想像を絶するほど暇です。
普段会社などに勤めている人は、暇すぎて発狂するくらい暇です。
自分で自由に動けない暇な時間というのは、もはや拷問。
そういった暇つぶしも含めて、妻が入院した際に持って行って喜ばれたものや、役に立ったものを紹介します。
日常的に使い慣れた枕
入院すると、いつも寝ているベッドや布団とは違う場所で寝なくてはいけません。
僕自身、慣れない環境だと寝つきが悪いこともあってか、持って行くものの筆頭として「枕」が浮かびました。
肝心の妻はというと、結構どこでも寝ちゃう人なんですが、今回は虫垂炎というビッグイベントのため、その能天気さにも限界があるだろうということで持参。
病院の枕は堅めで寝苦しそうだったので結果的には持って行って正解でした。
ノートパソコン&ポケットWi-Fi
こちらは主に動画視聴用。
基本的に入院中は安静を余儀なくされるため、病院での暇つぶしの筆頭はテレビや映画などの視聴になります。
しかし、大体の病院がテレビはテレビカードをわざわざ購入しての視聴になる上、入院期間中に面白い番組をやってるとも限らないため、ネットの動画を見ている方がはるかにコスパが上です。
スマホでも動画の視聴は可能ですが、端末を手に持って視聴し続けるのは地味に体力を消耗する上に、虫垂炎的にも変な体勢を維持し続けるのはリスキーなため、ノートパソコンをベッドの食卓テーブルの上に乗せてたほうが楽に視聴できます。
その際、ネットの動画配信サービスに加入しておくと何かと便利です。
僕はAmazonビデオをよく利用していて、自分が骨折で入院した際にもかなりお世話になって、退院した今でも使い続けてます。
圧倒的な作品数と画質、手軽さを兼ね備えたAmazonビデオはプライム会員になれば月額プラン400円、もしくは年額プラン3900円で対象のプライム・ビデオが見放題!
おまけにAmazonプライム対象の買い物の送料も無料になるし、サービス内容が自分に合うか心配ならば30日間の無料体験もあるのでメリットいっぱいです。コレは入院とか関係なく是非使ってほしい
病院での暇つぶしはほぼ100%ノートパソコンでカバー出来ますので必ず持って行くようにしましょう。大きめのタブレットでもOK
イヤホン・耳栓
病院によっては個室が空いていないことで自動的に複数人の患者と相部屋になってしまうことがあるため、音に非常に気を遣わなければいけなくなってしまいます。
日中だからといってパソコンやテレビの音を垂れ流しにしておくのは他の患者の顰蹙を買いますし、場合によっては結構なトラブル・修羅場となることもあります。
夜は夜で数人いる患者の一人が大きないびきをかいていることで眠れず、回復が遅くなることも考えられるためイヤホン・耳栓の持参は必須です。
特にいびきは本人でコントロールできるものではないので、病院の持参物リストの中に入っていなくても耳栓だけは持って行ってあげましょう。
MOLDEX メテオは着け心地と遮音性・価格のバランスが非常に優れているので耳栓ならこれ一択。
二人の思い出の品
パートナーのためにずっとそばで付きっきりでいたいのは誰もが思いますが、面会時間だったり仕事だったりと、現実には色々制約があります。
そんな自分が不在の時のパートナーの心を埋めるのは、あなたとの楽しい思い出が詰まった物です。
僕の場合は部屋に飾っていて妻が可愛がっていたぬいぐるみを持って行きました。
妻にとっては数ある便利グッズを押しのけてコレが一番嬉しかったらしく、手術直後も麻酔で朦朧とする意識の中枕元に抱いてました。なんて健気な子……
もし持って行く物資に余裕があるならば、不安な心を埋められる物も持って行ってあげましょう。きっと喜ばれるはず!
虫垂炎の術後の経過
今回妻が虫垂炎を発症してしまった術後の経過をまとめてみました。
通常の入院期間より少しだけ長めになってしまっていますが、よほどの高齢でなければ1週間を超える入院とはならないようです。
以下、術後の妻の1日ごとの回復具合
1日目:日常の動きはゆっくりであれば問題ないが、くしゃみ・せきはお腹の痛みがあり、できない
2日目:1日目の痛みが100とすると、60くらい。しかし、相変わらずくしゃみはきつい
3日目:退院予定日。点滴もなくなり、痛みは1日目が100とすると10くらい。ほとんど回復しているが、熱が下がらなかった。そのため、退院が延びた
4日目:若干熱があったが重篤な症状はなく、医師の判断により退院。寛解状態
5日目:仕事に復帰。デスクワークに支障なし
上記を見ていただければ分かるように、入院期間としてはそれほど長くありません。
また、3日目あたりから急速に快方に向かうため、パートナーとしては2日目まで献身的に介助すればあとは患者自身で日常生活のアクションで困ることはありません。
術後すぐのくしゃみなど、お腹を使う動きが辛いということですが、くしゃみが出そうな時は鼻の下の「人中」というツボをグッと押してあげると無理せず止めることができるのでおすすめ。

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虫垂炎体験者の妻へ密着インタビュー!
ここからは妻の虫垂炎体験談をインタビュー形式でお届けします!


















































虫垂炎まとめ
パートナーの病気はとてもデリケートな問題であるため、その後の関係にも大きく影響します。
しかしその病気のことをしっかり理解し、適切な行動を心がければ回復後の絆はもっと深くなっているはず。
僕は今回妻の虫垂炎を体験したことで、お互いのことをもっと大切に考えられるようになり、回復後の喜びもとても大きかったです。
この記事が少しでも世の中の虫垂炎患者のパートナーのお役にたてれば幸いです。
現場からは以上です。
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